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2007年12月、ビストロ・ベルランの閉店とともに幕を閉じた蓄音機の会が、3年半ぶりに復活した。
この会はもともと、リンク先ブログでお世話になっているすき焼きの老舗、今朝のご主人のgramophonさんが、先代から社長を継がれる前に経営されていたビストロ・ベルランで月に一度開催していたのだが、ベルラン閉店後、会場となるべき場所がなくなったこともあり閉幕となっていたのである。
それが、日比谷公会堂アーカイブスカフェが2か月に一度蓄音機の会を開くということになり、gramophonさんがその企画・監修・司会進行を担当されることになったのである。
新蓄音機の会と銘打って再開された第一回は、前半でワーグナー、後半でベートーヴェンという構成である。
まずはトスカニーニ指揮のローエングリン第一幕前奏曲で始まり、フラグスタートとメルヒオールによるトリスタンとイゾルデ第二幕の愛の2重唱を鑑賞する。
蓄音機から聞こえる、生々しい弦の音色が、天井の高い会場に響き渡る。
フラグスタートにメルヒオールの素晴らしい声も、大変な臨場感と温かみをもって伝わってくる。
ここで休憩。
往時は、レストランでの開催であったこともあり、おつまみにグラスワインであったのだが、現在の会場はカフェのため、コーヒーをいただく。3年半ぶりに、往時からの常連さんともお会いできた。
後半は、フルトヴェングラーの1938年のベルリンのスタジオ録音の運命。
スタジオ録音ゆえにライヴのような熱狂ぶりはないものの、それでもやはり古ヴぇンらしさにあふれた演奏が、これまた生々しい音で広がる。
実に3年半ぶりの蓄音機の音色は、大変素晴らしかった。
これを、頻度は往時の半減とはいえ、また定期的に味わえると思うと本当にうれしい。
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モダンピアノで有名な仲道郁代氏が、有田正広指揮の下、フォルテピアノ(プレイエル1841)に古楽器オーケストラでショパンのフォルテピアノ協奏曲1番&2番を録音した。
しばらく前に買ったのをようやく聞いたのだが、これが実に古楽らしい、素晴らしい演奏だったのである。
まず、オケの鳴らし方が実によい。テンポはややゆったり目に設定し、一つ一つの楽器の音をくっきりと浮かび上がらせながら、これぞ古楽、という感じで、楽譜の隅々まで聞こえてくるようである。
フォルテピアノはプレイエルらしいキラキラした響きを、決してガチャつかせずにーモダン系の人が弾くとせっかくのプレイエルがモダンピアノ的なガチャつきを呈することもままあるのだー味わい深く聞かせてくれる。
フォルテピアノとオケの絡む場面では初演当時のやり方で1パート1人の室内楽編成での演奏となり、桶のとぅってぃとの対比も鮮やか。
何よりも、フレージングの妙味が、ちょっとしたテンポの揺らし方や、細やかな強弱のつけかたなど、実に味わい深く、かつ個性的である。
これぞ古楽器によるショパンの協奏曲の決定版といえるだろう。
昨日、仕事を定時に切り上げて、夕日の中を麹町から市ヶ谷、靖国通り、千鳥ヶ淵、北の丸公園と桜を楽しんだ。
春宵一刻値千金とはまさによく言ったもので、何とも美しい黄金色の光の中、まだ3分~5分咲きではあるが、黄金色の空と桜色のコントラストは何とも美しい。
千鳥ヶ淵は「自粛」の影響かそれとも時期が早いのか、人出もあまりなく、ものさみしくはあったが、それ故に自分のペースで歩けるのはよかった。
権力を持たぬものを疲弊させることに酔いしれる権力者が何をほざこうが、花は構わず咲くものだ。

