趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リデルハート「第一次世界大戦 その戦略」

 先日書店に行った際に、ふと目にとまったので購入した本である。

 私は第一次世界大戦には並々ならぬ関心を抱いてるのだが、なかなか通史の形でまとまった本を読む機会に恵まれなかった。これは、大戦を、開戦から停戦まで時系列に沿って網羅的に概観できる良書である。

 初出は戦前で、ゆえに訳文が古めかしくて読みづらいのだが、淡々と事実の描写に徹底しており、それがかえって臨場感を生んでいると言えるだろう。

 これを読んで一番強く感じたのは、ダメな軍隊は旧日本軍だけではなかったということである。

 はっきり言って、第一次大戦の指揮官は、連合側も同盟側も、わが日本軍と大差ないと思えてしまうくらいダメっぷりを露呈している。それだからこそ、大戦があれほど甚大な人的・物的被害を双方に被らせたのだろう。

 一番ダメなのは、連合側も同盟側も、当初計画に官僚的にこだわりすぎていて、もはや状況の変化により有害無益となった作戦行動を多数の戦死者を出しながら続けようとしていることである。これは大は戦争全体の戦略から、小は局地戦の戦術に至るまで徹底的で、これでは兵士たちは浮かばれまい。塹壕の奪い合いで何十万と言う戦死者を出しながら一向に効果のない突撃を止めようとしない両軍を見ていると、まるで203高地の乃木将軍が同志討ちをしているようだ。

 ローマ人の物語に登場した古代の戦争の記録を見ていても言えることだが、優秀な指揮官同志の戦争では、人的被害が少なく決着がつくようである。そして、愚劣な指揮官と優秀な指揮官の戦争でも、前者になすすべを与えないことで双方の人的被害は比較的少ないようだ。最悪なのは、愚劣な指揮官同志の戦争で、これは勝者敗者とも多数の死傷者が出る。

 もし私が兵士だったら、敵軍の指揮官が有能であることを祈るだろう。なぜなら自軍の指揮官の能力如何にかかわらず、敵軍の指揮官が有能でさえあれば、無事生還する可能性が高くなるのだから。
スポンサーサイト

林望訳源氏物語

リンボウ先生こと林望氏の訳になる源氏物語を読んでいる。

今ちょうど空蝉を読み終えて夕顔に入ったところであるが、非常にこなれた訳で大変読みやすい。

イギリスの専門家のようなイメージだが、リンボウ先生の本業は古典学者、書誌学者なのである。
そもそもイギリスにわたったのも、大英図書館の日本の古書の目録作成の仕事で行ったそうである。

学者の正確性と作家の創造性がバランス良く同居していて、学者であり作家であるという林望氏ならではの、良訳だと思う。
続きが楽しみだ。

「メッテルニヒ」

 オーストリア帝国の黒幕を長く務めたメッテルニッヒ宰相の伝記本である。

 私は彼がいかに老獪な人物であったかということについて、左翼系の歴史家が苦々しく語るのを見て、非常に興味を持っていたのだが、これが実に面白い。

 彼はもともとはトリーア選帝侯国の高官を代々務めたライン沿岸の大貴族の家柄で、オーストリア帝国にとっては外国人だったのだが、フランス革命戦争でフランス軍に領地を占領されてウィーンに亡命し、そこでマリア・テレジア帝の御世に宰相をつとめたカウニッツ家の娘と結婚したことをきっかけに、ウィーンの宮廷に登用され、ついには外相としてナポレオン戦争の対仏交渉を一手に任されるに至る。

 このあたりの出世物語やナポレオンとの厳しい交渉など、実に読んでいて面白い。

 しかしながら、作者が元某新聞の記者で根が左翼なせいか、ウィーン会議終了後の「ウィーン体制」時代になると途端に筆が鈍るのである。私としては右派の雄として堂々と描いてほしかったのだが、そこは作者の限界だったのだろう。

 それにしても、日本の歴史作家で、右派をきちんと描くことのできる作家は塩野七生氏くらいしか思いつかない。まぁ、母集団からして日本人の世界史系歴史作家はごく限られているには違いないのだが…。

テルマエ・ロマエ

 非常にピンポイントに私の趣味をついてきた、マニアックなマンガである。

 が!

 なんとマンガ大賞を受賞したらしい。一般の人気も博しているようだ。

 これは、古代ローマの浴場専門の設計技師が、設計に悩んでいると風呂の水流に巻き込まれておぼれてしまい、それをきっかけに現代日本にタイムスリップして、日本の風呂を体験し、ローマにもどってそれをヒントに斬新な風呂を作って人気を博し、ついにはハドリアヌス帝直々の命令で浴場を設計する、と言うギャグ漫画である。

 しかし、ラテン語と古代ローマをこよなく愛する私にはまったくもってたまらない設定だ(笑)

 主人公が時折つぶやくラテン語のセリフが正確なのも高ポイント。

 いやはや、ラテン語もいよいよ浸透してきたものである。

日本語でどづぞ

「日本語でどづぞ」なる本を書店で見かけ、思わず衝動買いしてしまった。

海外製品のパッケージや看板などで見かけた、思わず笑ってしまう変な日本語を集めた写真集である。

「さ」と「ち」、「う」と「ろ」、「う」と「づ」など、ひらがなが変わるだけでとたんに面白くなってしまうのがたまらない(笑)

ストレス解消にはもってこいの本である。
次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。