趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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It's Greek to me ~かくも迷宮的なるギリシア語(1)

 「それは私にとってギリシア語」。英語において「私には意味がさっぱり分からない」と言う意味の表現である。受験で覚えた方も多いことだろう。

 その表現に負けず劣らず、このギリシア語という言葉は複雑怪奇、まさに迷宮的としか言いようのない言語である。

 まず語形変化がすごい。名詞は単数・複数に加え、二つのものを表すための専用の双数形という形があり、その数がそれぞれ5つの格に変化する。3×5で15に変化。まだまだ序の口である。
 形容詞はこれに加え、形容する名詞の性別に合わせて男性・女性・中性の3つに変化する。15×3で45。だんだん迷宮の本領が見えてきた。

 究極の迷宮が動詞である。単数、複数、双数にそれぞれ一人称、二人称、三人称がある。双数は一人称がないのでこれを差し引くが、それでも2×3+2=8通り。これがすべての時制にそれぞれあるのである。時制の数は現在・未完了過去(過去の継続的動作を示す。ヴィデオを見るイメージ)、アオリスト(過去の瞬間的動作を示す。写真を見るイメージ。)、現在完了、過去完了、未来完了、未来、と6つもあるので、8×6で48。
 さらに、この数の変化形が、能動、受動に用意されており、その上「中動」と言う、能動と受動の中間(具体的には自分を~する、と言うような再起の意味合いが基本)を意味する形があるので、これがさらに3倍され、48×3で144。

 これがさらに直説法(客観的な意味を表す)・接続法(主観が混ざったニュアンスを表す)・希求法(将来の希望、願望や予測などを意味する)と言う分類で3倍される。432。

 その上ここに、不定法(現在、現在、未来、アオリスト、現在完了、未来完了の5種類)、命令法(2人称と3人称について単数、複数、双数がそれぞれあり、さらに現在、アオリスト、現在完了の3つの時勢について、それぞれ能動、受動、中動があったりなかったり(!)する。)、分詞(名詞として使用される形で、形容詞と同じく性別・数・格に応じて変化する。それが現在、未来、アオリスト、現在完了、未来完了の5つの時制ごとに、能動・中動・受動ごとに変化する。)として変幻自在に変化する。

 合計すると、ひとつの動詞がなんと800近い変化形を持っていることになるのだ。

 これだけでもギリシア語の迷宮っぷりがよく分かるのだが、この想像を絶する迷宮は、この複雑怪奇な文法のエリアを抜けたあともさらに奥深い迷宮が続いているのである。

 (次回に続く)
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