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趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ローマ人の物語XV ローマ世界の終焉

塩野七生氏の大作『ローマ人の物語』が、ついに完結した。
モーツァルトは一回お休みにして、今回はそちらの話題を。

最終第15巻では、テオドシウス帝亡き後の東西分裂、西ローマ帝国のあっけない消滅(そう、それは『滅亡』というよりも『消滅』という言葉がむしろふさわしい)、そして素人には意外な「パクス・バルバリカ」(蛮族支配による平和)と西ローマ帝国亡き後のローマ人とその文明の存続、そしてゴート戦役によるローマ文明の破壊と滅亡が描かれている。

 西ローマ帝国滅亡後、ヨーロッパがどのような状況になっていたのかに関して私はほかに文献を読んだことがなく、漠然と進入した着た蛮族に蹂躙されて文明が破壊されたのだろう、と思っていた。

 しかし、意外なことに、帝国滅亡後イタリアを支配した東ゴート族がイタリアに平和をもたらし、およそ100年にわたってローマ人は従来どおりの文明生活を、少なくとも帝国滅亡前と同程度の水準で享受できていたのである。これを「パクス・バルバリカ」、蛮族による平和という。

 そして皮肉なことに、パクス・バルバリカのもとで維持されていたローマ文明の息の根を止めたのは、ほかならぬ東ローマ帝国が領土再復を図ってイタリアで東ゴートと繰り広げたゴート戦役による破壊であったのである。

 かくして15巻にわたって語られてきたローマ文明は、その息を引き取った。

 ローマ文明1200年の歴史を、その誕生から滅亡まで、15年かけて語り告ぐという大事業も、これにて完結である。

 思えば第一巻をはじめて読んだのはまだ中学生のときで、それから毎年一冊ずつの発売を楽しみに読み続け、ここに完成に至ったわけである。読者としても感慨深いものがある。

 私はこのシリーズには多大な影響を受けた。ラテン語・ギリシア語に手を出したのもこのシリーズがきっかけといってよい。

 このような作品をリアルタイムに経験することが出来て、私は幸せだと思う。
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