趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ~肩掛けチェロ

 バロック時代、現代にもおなじみの、膝の間にはさむチェロとは別に、肩にかけてヴァイオリンのように演奏するチェロがあったという。これが、肩(=スパッラ)のチェロ、と言う意味で、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラと呼ばれていたそうである。

 これは長年、謎の楽器、幻の楽器となっていて、ごく最近になって復元された楽器である。
 この復活のパイオニアとなったのが、バロック・ヴァイオリン復活のパイオニアでもあった、シギスヴァルド・クイケンであった。

 今日、彼が件の楽器を携えて、神奈川県立音楽ホールでコンサートを行った。
 プログラムはオール・ヴィヴァルディで、演目は「四季」に「ラ・フォリア」、「ゴシキヒワ」、そしてヴィオロンチェロ・スパッラによるチェロ協奏曲と、ピッコロ協奏曲と言う豪華ラインナップである。

 今回は、各パート一人と言う、極めて室内楽的な編成であったのだが、少々ホールのサイズが大きすぎるせいか、どうも音の密度の低さが気になってしまう。「春」「夏」はどうも力がないというか、いまいちの出来であった。

 しかし、「秋」になるとがぜん実力が発揮されはじめてきて、「冬」になると、彼らの意図した文学的な音楽表現の隅々が良く伝わってきて、非常に良かった。

 休憩をはさんで、ラ・フォリア。

 これが非常に良かった。会話するような、非常に言語的な表現で、大変素晴らしい。ヴァイオリンの対話を、やや軽やかな音色のヴィオロンチェロ・ダ・スパッラが支え、チェンバロが彩りを添える。

 「ゴシキヒワ」は、肝心の鳥の鳴き声の模倣が少々パワー不足ではあったのだが、やはりいかにもヴェネツィアらしい楽しさが良い。

 ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる協奏曲も、この珍しい楽器の音色を堪能できて、非常に印象深い体験であった。

 最後のピッコロ協奏曲も、非常に親密に各声部が対話しつつ、ピッコロの歌も目立ち、非常に楽しく聴くことができた。

 珍しい楽器を体験できるというのは、なんとも楽しいものである。
 
スポンサーサイト
次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。