趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ひねくれもののブルックナー鑑賞記

 ブルックナーの音楽のよさがようやくわかるようになったのは、クラシックを聴き始めてようやく10年目に入ったときのことだった。

 ブルックナーを味わえるようになるまでの道のりはかなり長かった。

 もともと私は古楽からクラシックに入ったので、古楽復興運動がもともとはロマン主義的演奏へのアンチテーゼとして始まった経緯の影響からか、ロマン派の音楽がわかるようになるまでの時間がそもそも大分長くかかったため、ロマン派の音楽の中でもかなりの上級者向けのブルックナーに触れるまでがそもそも長い道のりであった。

 大学に入った頃から、同時代楽器による録音がそろってきたこともあってか、ようやくロマン派音楽がわかるようになった。その後、私が所属していたクラシック愛好家のサークルの先輩で、ブルックナーに心酔している方の熱烈なお薦めもあって、友人からヴァント指揮の録音―確か8番だったと思う―を借り受け、聴いてみたのだが、ヴァントの息苦しくなるような厳格な演奏に、ブルックナーは難しい音楽らしい、と言う先入印象が強められただけで、結局何も判らずに終わってしまった。

 転機はその数年後、友人のfratresさんの運転する車に同乗した際に彼が欠けていたドホナーニ指揮クリーヴランド管の7番の演奏を聴いたときに訪れた。

 コアなブルックナーファンは7番は駄作ということにしているようだが、私はこの曲の響きの美しさにとらわれた。

 コアなブルックナーファンは―”ワグネリアン”の例に倣って”ブルクネリアン”とでも呼ばせてもらおうと思う―ブルックナーの音楽にはとにかく重厚であることを要求したがるようで、クナッパーツブッシュやヴァント、朝比奈などの遅いテンポに重い響きで聞かせる演奏を好み、曲自体も重厚な8番・9番あたりを好む傾向があるように思われる。

 しかしながら、私にとってブルックナーの最大の魅力は、その音色の味わいの美しさ、音色の透明感、色彩感である。

 それゆえ7番の第一楽章の色彩感豊かな雰囲気はこの上なく魅力的なのだ。

 当然、演奏の好みも響きの美しさ、透明感を重視したものとなる。

 それゆえ私の好きな録音は、アバド指揮ウィーンフィルによるものと、つい最近発売されたばかりのヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼオーケストラ(何と同時代楽器使用だ!!)によるものが双璧をなす。いずれもブルクネリアンの皆様のダメ出しが聴こえてきそうだが(苦笑)。

 アバドがウィーンから引き出す音色は透明感にあふれた美しいもので、キビキビしたテンポが音色のさわやかさを増している。
 ヘレヴェッヘは同時代楽器の演奏であるだけあって、音色の特徴が強く現れており、音色の美しさの点ではアバドに勝るとも劣らない。

 ブルクネリアンが見たらだめだしの嵐にでもなりそうな気もするが、やはり私はこういう演奏が好きなのだ。
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コメント

アバドのブルックナー

アバドならいいですよね。ピリオド楽器は縁がなくて…

  • 2006/04/17(月) 18:05:36 |
  • URL |
  • gramophon #-
  • [ 編集]

ピリオド楽器は好き嫌いが分かれますからね。私はすごく好きですが、圧力不足を感じる方も多いようですね。

  • 2006/04/18(火) 22:29:04 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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