趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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パリ欲張り強行軍~迷宮的旅行記(1)

 2003年の夏、某資格予備校講師のバイトで稼いだ資金をつぎ込んで、私は初のヨーロッパ旅行を計画した。
 コンセプトは『リアルタイムのラテン語を読む』『本場のオペラを見る』の二本柱である。

 塩野七生の愛読者であり、大学でずっとラテン語を履修した私は、いつかローマ遺跡を巡り、その碑文等に残されたリアルタイムのラテン語を読みたい、と思っていたし、また長年日本では実演に触れる機会のほとんどないバロックオペラを本場の実演で是非聴きたいと思い続けてきたので、ついに夢実現、と言う、計画するだに胸躍るような旅行であった。

 ヨーロッパ旅行通の友人のアドヴァイスもあり、少しでも長く現地にいるためにエールフランスの深夜便で日本を出発する。成田空港を22時少し前に離陸し、現地時間の早朝4時(!)にドゴール空港に降り立つと、まずは空港近くにとったその日の宿にスーツケースを預け、RERでパリ入城である。

 このパリで、私はとてつもない強行軍をやってのける。

 朝八時、門の開錠と同時にノートルダム大聖堂(ここがパリで一番朝早く門を開く観光地なのだ)を見学し、壮麗なゴシック建築の聖堂の荘厳さに心打たれ、ここでペロティヌス・マグヌスのオルガヌムが鳴り響いていたのだ、などと想像に胸をふくらませながら聖堂の中を歩いていくと、奥の副祭壇でミサが執り行われており、グレゴリオ聖歌が聴こえてきた。

 たっぷり一時間近く内部を鑑賞した私は、次いで一時間遅れて門を開く尖塔にあがった。延々と続く螺旋階段に目を回しそうになりながら聖堂の屋上に上がりー石造りの階段が磨り減って大きくくぼんでいるのを見て、千年の歴史の重みを実感したものだー、ノートルダムのせむし男を思い出しながら無数のガーゴイルを眺め、パリの街を一望し、今度は道の向こう側のコンシェルジュリーへと向かう。

 マリ・アントワネットをはじめ、革命後の恐怖政治時代に数多くの政治犯を拘置したと言うその建物はとても殺風景で、復元されたマリ・アントワネットの独房のみすぼらしさを見てかつての女王の凋落ぶりを実感し、隣のサント・シャペルに移動する。

 サント・シャペルはフランス有数のステンドグラスを誇る小礼拝堂で、天地創造からキリスト復活までの旧新聖書の重要場面を絵解きした大変美しい建物であった。明治時代に先祖が改宗したため、私は一応カトリックで、そのため一応聖書の知識もあるので、特段の解説を要さずにたっぷりとステンドグラスを鑑賞できた。

 昼食は名高いカフェ・ド・ラ・ぺ、と意気込んでいたので、メトロに乗ってオペラ駅に降り立ち、オペラ・ガルニエをちらりと眺めてカフェ・ド・ラ・ぺに入る。

 メニューの中から『パリジャンサンド』を注文した。縦に切れ目を入れたフランスパンにスライスしたグリュイエルチーズとハム、野菜をはさんだシンプルなサンドイッチなのだが、これが大変美味である。特に入っていた野菜が、日本で一度も食べたことの無いもので、いまだにその味が忘れられない。

 それは一見春菊のような、濃い緑色のやや太い茎をした野菜なのだが、一口噛むとまるで果物のようにジューシーに豊かな水分があふれ出、柑橘系のさわやかな香りと穏やかな酸味、心地よいほろ苦さとかすかな塩味(これはハムやチーズからきたものかもしれないが)がすると言う、本当に一種独特の味わいの野菜だった。フランス語をほとんど知らない私はこの野菜が何なのかたずねることができなかったのだが、いまだにこの野菜が気になっている。ご存知の方、是非教えてください!!

 午前中のことを書いただけでこんなに長くなってしまったことからも、いかに私のパリ初日が強行軍だったかを感じていただけることだろう。
 午後については次回に続く。
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