趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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Zu Rom!!~迷宮的旅行記(3)

 ドゴール空港からローマへと朝一の飛行機でローマへ飛び、昼前にはローマ市内へ到着……しているはずだった。
 しかしここで私は、おなじみアリタリアのディレイの洗礼を受けることになる。電車もそうだが、イタリアにおいて時刻表とは、『この時間より早くは出発しない』と言う以上の意味を読み取ってはいけないのである。ローマ最大の英雄カエサルは”Crementia"(寛容精神)を信条に掲げていたが、ローマを楽しむにはこの偉大な英雄に倣い、寛容の精神でこのくらいの遅れは笑って許せるようでなければならない。

 さて、カエサル直伝のクレメンティア精神を学んで(苦笑)午後を少々回ったところでようやくローマ市内にたどり着いた。例によってホテルに荷物を預け、早速市内観光である。

 真っ先に向かったのはコロッセウムであった。地下鉄から降り立ち、目の前にそびえるコロッセウムを目の当たりにして、たちまち私の心は2000年前に飛んでいく。この頃は塩野氏のローマ人の物語の最新刊は第十巻、『すべての道はローマに通ず』で、まさにローマ文明の絶頂期を描いているところだったのだが、そのローマ文明の絶頂期を代表するコロッセウムの中を歩き回っていると本当に最盛期のローマが目に浮かぶようで、大変に高揚したものだ。

 コロッセウムを後にした私は、そのままコンスタンティヌス帝の凱旋門の鑑賞に移る。残念ながら軍人皇帝時代の混乱を経て大分疲弊した時代の凱旋門なのだが、底に刻まれていたラテン語こそは、今回の旅行で最初に読んだリアルタイムのラテン語だった。
 こうした碑文のラテン語は、特有の省略記述が多く、なれないと読みにくいのだが、それでも1800年の歳月を越えて底にある本物の同時代のラテン語を直に読むというのはなんともいえない興奮であった。
 凱旋門を背にして古代から続く細い坂道を登っていくと、ローマ遺跡の白眉、フォールム・ローマーヌム(フォロ・ロマーノ)にたどり着く。この場所こそは、帝国の最盛期に帝国の中心であった場所であり、ローマ史をかじったものなら心躍らせずにはいられない数々の遺跡が密集している場所である。
フォールム内のすべての遺跡をしらみつぶしに見て回り、2000年前の大事件と時間こそ違え空間を共有していることにいちいち感動しながらもここを回り終えると、やはり猛暑のローマのことで、興奮のあまり気づいていなかった脱水症状一歩手前ののどの渇きに気がついた。
 すると、蛇口から勢いよく流れ出す水の周りに人々が集まり、皆その水を飲んでいる。そう、ここには、2500年前に引かれたアッピア水道の水がこんこんと流れていたのである。アッピア水道は、ローマから大分離れた山の上から湧き出すミネラルウォーターを、贅沢にも常に流しっぱなしでローマに供給すると言うもので、生水を口にすることに一抹の不安はあったものの、ガイドブックにも生で飲んで大丈夫と書いてあったことに勇気を得て、思い切って飲んでみた。

 その味はいかにもヨーロッパのミネラルウォーターといった感じのかなり硬いもので、渇いたのどを潤すには少々ミネラル成分が多すぎたため、飲めども飲めどものどの渇きがいえたという実感が得られなかったのだが、それでも古代人と同じ水を飲んだと言う感動は大変な美味であった。

 感覚はどうあれ、少なくともH2O分子の必要量は体内に確保できたようで、元気を取り戻し、今度はフォロ・ロマーノのすぐとなり、古代の高級住宅地の遺跡で皇帝の宮殿もあったと言うパラティーヌムの丘の遺跡に移動する。(続く)
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コメント

大昔

 ドイツに住んでた頃、勉強嫌いだった弟が遊びに来て、一緒にイタリアへ行ったことを思い出しました。フォロ・ロマーノを散策して古代ローマ時代の説明をしたら、何を勘違いしたのか

「それじゃ、地球ができたのと同じ頃じゃないの」・・・(冷汗)

その日は遺跡を回りながら、ビッグ・バンから地球の誕生、人類の発生、古代文明、そして古代ローマまで延々と解説する羽目になつたのでした。

  • 2006/05/24(水) 20:33:08 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

それはまた、壮大なレクチャーでしたね。150億年の物語を2000年前の遺跡で語る・・・贅沢な企画です。

  • 2006/05/24(水) 22:15:43 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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