趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ナポリを見て死ね~迷宮的旅行記(5)

翌朝は早く起きて朝食とチェックアウトを済ませ、特急ICに乗って一路ナポリへと向かう。
イタリアの電車にしては上出来な、わずか30分程度の遅れでナポリに着くと、いつものようにホテルに荷物を預けに行く。

駅を降り立つと、あまりにもローマと街の雰囲気が違っているのに驚く。
一言で言えば、カオスである。
駅前にはたくさんの怪しげな露店が並び、道路には驚くべき量の車があふれている。
ローマでは、信号はあっても誰も守らなかったのだが、ここナポリでは、あってもどうせ誰も守らないからか、信号そのものがほとんどないようだ。
車道には「車線」という概念はないようで、サーキットのように団子状になった車が時速40キロは超えるであろうスピードで流れてゆく。うむむ。
しかしこのカオスが、この港町になんとも言えない生命感、活気を与えていることは間違いない。

強烈な印象を受けながらホテルに着き、荷物を預けると、再び駅に戻り、一路ポンペイの遺跡へと向かう。
その道すがら、駅前の露天で手作りのレモンシャーベットを売っていて、好奇心に駆られた私はこれを一つ買ってみた。
塩を振った氷の中に突っ込んだ寸胴なべの中でレモン果汁をかき混ぜてなべの周りに出来た氷をかき集めて作るそれは、天然果汁100%(糖分は加えているだろうが)の贅沢なもので、一口食べてみるとレモンの酸味がさわやかで、ナポリの強烈な陽光で火照った体を冷やしてくれる。これは美味であった。

電車に揺られて約45分、ポンペイ遺跡にたどり着く。

この、町がひとつ丸ごと残されている巨大な遺跡群は、回っても回っても飽きない素晴らしい遺跡で、見るもの見るもの往時への想像を掻き立て、非常に楽しかった。

 壁に手書きのラテン語の落書きがあったり(残念ながら手書き文字の判読は困難を極め、私に読めたものはその中でもほんのわずかな一部に過ぎなかった。あるいは今に至る西洋人の手書き文字の読みにくさは、ポンペイの古から2000年以上の伝統に基づいているのかもしれない)、墓地に残された個性的な墓碑を読んだり、残されたフレスコ画の美しさによったりしながら歩き回っていると、街の外れの一角にブドウ畑が見つかった。そこに書かれた説明文によると、なんでもポンペイ時代の品種のぶどうをつくり、それをポンペイ時代の製法でワインにしているのだという。ヴィラ・デイ・ミステリという銘柄名のそのワインに興味を引かれた私だが、日本円にして4万円近かったその価格を見て購入を断念した。いつか飲んでみたいと思っている。

 その日はずっとポンペイ遺跡の鑑賞に費やし、夕方六時ごろナポリに戻る。
 ポンペイ遺跡周辺は当然ながら火山灰土壌で、ちょっとでも風が吹くともうもうと砂埃が舞い上がり、気づくと前身がうっすらと火山灰で汚れていたので夕食の前に一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びて着替え、夕食を食べに外へ出る。

 ナポリでは絶対にモッツァレラ・ブッファラを食べると固く誓って日本を発った私だったので、やはり地球の歩き方で見つけたその店の入り口に出されていたメニューのアンティパストの項にmozzarella buffaraの文字を確認して、店に入る。
 あの味は今でもはっきりと覚えている。あふれんばかりに口中に広がるさわやかな酸味と甘味、コク。力強い香り。あれこそは現地に行かなければ味わえない、モッツァレッラチーズの本当の味なのだ。地元カンパーニア産の白ワインとの相性もこの上なく良い。
 プリモピアットにはムール貝のパスタを注文した。これがまた、ぷりぷりしたムール貝をたっぷり使ったおいしいスパゲッティで、これまた件のワインとの相性も抜群であった。セコンディも何か頼もうかと思ったのだが、日本人を扱い慣れている感じの陽気なカメリエレが
満面の笑みを浮かべてドルチェは何がいいか、と聞いてくる。スパゲッティがかなりの量だったこともあり、カメリエレの奨めに素直に従ってセコンディは省略して本日のお勧めの焼き菓子を注文。これまた美味かった。

 この日は疲れた体にもさして白ワインは回らず、少々余裕があったので、さっきのリストランテのすぐ隣にあったバールに立ち寄ってエスプレッソを一杯飲み、ホテルへ帰った。

 翌日は朝一でカプリに渡る。睡眠をたっぷりとらねば船酔いが懸念されていたので、その日も私は早めに眠ったのであった(続く)。
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