趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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続々・ローマは一日にして回り切れず~迷宮的旅行記(9)

 翌日はいよいよローマを離れる日である。
 ホテルをチェックアウトし、荷物を預けてまずはマエケナスの講堂の遺跡にいってみる。

 ウェルギリウスを始め多くの才能ある詩人を庇護し、「メセナ」の語源になった大金持ちの文芸愛好家マエケナスが、お気に入りの詩人たちに作品を朗読させるために作った講堂だったというその遺跡は、ウェルギリウスがアエネイスを朗読したかもしれないラテン文学好きにははずせない場所なのだが、残念ながら鉄柵に囲われて施錠されており、柵のこちらから眺めることしかできなかった。まあ、修復中とかかれた覆いですっぽり覆われて何も見れなかったアラ・パチスよりは大分ましなのだが。それでも時々、ここでコンサートや朗読会というイヴェントが行われ、そのときだけ中に入ることが許されているという。是非この中でアエネイスの朗読を聴いてみたいと思うが、ローマに居住する人にだけ許される贅沢だろう。

 パンテオンの前を通って、すっかり気に入ってしまったサンテエウスタッキオに寄ってエスプレッソを飲み、トラヤヌス帝の市場の遺跡を見に行く。
 市場、などというと広場に露天が並ぶイメージだが、巨大な石造り三階建てのそれはデパートにほかならず、改めて古代ローマの生活水準の高さを実感する。ふと入り口を見ると、ラテン語で、『イタリア王国総理大臣ベニート・ムッソリーニこの遺跡の修復をなさしめたり』などと書いてあるのが面白かった。

 トラヤヌスの市場を出た後は、両脇にカエサル、アウグストゥス、ヴェスパシアヌス、ネルヴァと歴代皇帝たちが建設したフォールムが続くフォーリ・インペリアリ通りをゆっくり通ってコロッセオを抜け、ドムス・アウレアに向かう。

 ドムス・アウレアは入場完全予約制で、日本から事前に電話して予約しておかないと中に入れてもらえないのだが、あらかじめ予約してあった時間にはまだ大分早かったので、昼食をとりに行くことにした。うろうろ歩いてたまたま見つけた店でローマ風のブガティーニを食べる。ペコリーノ・ロマーノのピリッとした塩味と独特の風味がアクセントになっていてとても美味い。サン・ペレグリーノを一緒に飲むと、とても水とは思えないような豊かな味が広がり、大変良かった。

 時間になったのでドムスアウレアに戻り、中に入る。
 かの悪名高きネロ帝が作らせた一種の公共宮殿の遺跡なのだが、地下の迷宮的な雰囲気が非常に楽しい。オスティア・アンティカ以上にRPGのダンジョン的だ。
 単に迷宮的な楽しさだけでなく、美しいモザイクや貴重なフレスコ画も残されていて、美術的・歴史的価値も非常に高い。予約してでも行く価値のある遺跡である。

 ドムスアウレアを楽しんだ後は、トレヴィの泉に近くで見つけたお気に入りのジェラテリアで苺とピスタチオ(これが大変美味い)を食べてホテルに戻り、荷物を受け取って駅に出る。夜行列車でイタリアを離れ、パリに向かうのである。

 翌朝には再びパリに降り立っているはずの私を、その夜、意外なハプニングが待ち受けているのであった。(続く)
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