趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

イタリア、イタリア、そしてイタリア~迷宮的旅行記第三章(1)

 迷宮的旅行記、第三章である。
 なぜ第二章を飛ばしていきなり第三章なのかというと、2004年の冬の旅行が第二章だからなのだが、せっかく行ってきたからには三度目の今回の旅行を先に書くことにしたからである。

 今回の旅行のテーマは
 ?ローマ・ヴェネツィア・フィレンツェの塩野作品の舞台となった3大都市で未踏のままのフィレンツェを訪れる
 ?オペラ三本立て
 の二つである。

 たまたま水曜にジェノヴァ、木曜にパルマ、金曜にフェラーラ3日連続オペラが上演される週に運良く有給が取れたので、6/9金曜の夜、成田発21:55のエールフランス夜行便で日本を離れ、パリ経由でフィレンツェに入城する。

 機内はWカップ観戦客であふれかえっており、近くの席にはアナウンサーの朝岡氏の姿も垣間見えた。この飛行機に乗ってドイツに行かない日本人は私くらいのものだろう(笑)。だが、”人の行く裏に道あり華の山”である。ドイツへ旅行客が集中する中のイタリアは、比較的すいていて大変に有利な旅行ができると言うものである。

 乗客もサッカー好きらしく非常に外交的な人が多いようで、隣の席に座った男性がフィレンツェのガイドブックを読んでいた私に興味を持ったようで会話が始まり、その隣の女性も会話に加わり、いつしか全員初対面の3人と離れた席にいた男性の友人の4人で飛行機の乗り換え時間を過ごすことになった。

 夜行便がパリにつくのは現地時間の四時半で、飛行機の乗換えまでは2時間半くらいの待ち時間を過ごすことになるのだが、おかげさまで退屈せずに会話を楽しみながら待つことができた。こうした一期一会の出会いというのもいいものである。

 さて、フィレンツェ行きは彼らの乗るフランクフルト行きよりも若干早かったので一足先に私は飛行機に乗り込み、フィレンツェ空港へと降り立った。

 空港から市内はバスで20分程度と大変に近く、ミラノやローマの遠さ、ましてやドゴールや成田の果てしない遠さに比べると大変に便利である。市内に着いた私は早速ホテルにチェックインして荷物を置き、勇んでフィレンツェの町へと繰り出した。

 まずは午前中に、ルネサンス彫刻を集めたバルジェッロ宮美術館に向かう。ドナテッロからミケランジェロ、その弟子たちに至るフィレンツェ・ルネサンス彫刻の粋を集めた傑作の数々が展示されている。

 ちょうどジャンボローニャの作品の企画展をやっていて、その今にも動き出しそうな生き生きとした作品をたっぷりと鑑賞することができた。

 ドナテッロ、ミケランジェロといった巨匠の作品は言うまでもなく素晴らしかったのだが、片隅にひっそりと、まるで人目から隠すかのように展示されている小さなレダの像~白鳥に化けたゼウスと交わるまさにその愛の場面を彫刻にしたものが非常になまめかしく、強い印象を残した。

 ついでメディチ礼拝堂へ行く。その信じがたく美しい礼拝堂に、メディチ家の財力のすさまじさを感じるとともに、塩野氏も著作に触れているように、当時の庶民が唯一美しいものに取り囲まれ、その美しさの中で忘我の境地に浸ることのできた場所を提供していたのが教会だった、と言うことを実感した。こういう美的センスがイタリアにおいてキリスト教を今もしっかりと根付かせたのであり、また教会がこういう美的センスを磨く場を与えてきたと言うことはカトリック教会の否定できない歴史的貢献であろう。

 パリまでの便とフィレンツェまでの便で合計2回も朝食を食べていたと言うのに(苦笑)、早くも12時少し前には空腹を感じた。

 トリッパをこよなく愛する私はフィレンツェではぜひともトリッパ・アラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風トリッパのトマトシチュー)を食べようと思っていたので、トリッパを食べさせる屋台か食堂を求めて細い路地をうろうろしていたのだが、その中でふと目に飛び込んできたのが、「ペンネ・アッラ・リモーネ・コン・アスパラージ」(レモン風味のアスパラガスペンネ)の文字だった。レモン風味のペンネ!しかも私の大好物のアスパラガス入り!!これを食べない手はない、と言うことで、トリッパは後回しにしてこのトラットリアに入ることにした。

 しかもこのメニュー、これをプリモとして、セコンドつきで10ユーロポッキリである。これはお得だ。

 ペンネは茹でたアスパラガスとレモン風味を聞かせたクリームソースであえたもので、すりおろしたペコリーノをたっぷりかけて食べる。アル・デンテに茹で上げたペンネを土台にアスパラガスのみずみずしさと、クリームソースとペコリーノの豊かなコクが溶け合い、その上を一陣の風のようにレモンのさわやかな香りが駆け抜ける。美味い。酸味と苦味のバランスがなかなか良い赤のトスカーナの地ワイン(無銘のヴィノ・ダ・ターヴォラだがとても美味い)とも相性が良かった。

 セコンドには豚肉の炭火焼を頼む。ポークチョップを炭火でこんがりと焼いて、塩・胡椒・オリーヴオイル・レモン汁だけで味付けたシンプルな料理で(そう、豚肉でビステッカ・フィ折れんティー名を作るようなものだ)、骨の周りの香ばしく焼けた肉が大変美味かった。くだんのワインにも、赤ゆえに豚肉では少々力不足を否めないところはあるが、ちょっとスモーキーでスパイシーな香りと炭火焼の香ばしさが良くマッチしていた。

 時計を見ると時間は一時を少し回ったところ、2時からの入城を予約したウフィッツィ美術館似移動するにはちょうど良いタイミングのように思われ、会計を済ませて店を出ると私はシニョリーア広場へと向かったのであった。(続く)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tiberiifelicis.blog10.fc2.com/tb.php/158-4e884863
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。