趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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今度はビステッカ三昧~迷宮的旅行記第三章(6)

 その後、アカデミア美術館で買っておいた作品目録を調べ、例の十字架降下はステファノ・ピエーリという画家の手になるものであることがわかった。http://cgfa.sunsite.dk/p/p-pieri1.htm

 で、これを東京事変のマキシシングル『遭難』のジャケットと見比べて欲しい。http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0002VL8EY/249-5846894-9701939?v=glance&n=561956

 ね、似てるでしょう。
 椎名林檎はキリストではなく、卒倒する聖母の方だったわけですね。

 まあ、こんなマニアックな作品をピンポイントで狙ったのではなく、漠然と十字架降下の構図をイメージして撮ったのだろうが。

 さて、美術品の鑑賞で目を満腹させたので、今度は本当に腹の方を満腹させてやらねばならない。いよいよビステッカにリヴェンジである。

 前回の失敗を反省し、とりあえず、『地球の歩き方』に出ている店にする、店構えが地味でこれ見よがしな炭火コンロのディスプレイなどないところにする、と言う条件の下、"Classica Bistecca alla Fiolentina"と言う文字を見つけたのは『ブーカ・マリオ』と言う店だった。観光客向けの店ではあるが、老舗できちんとした美味しいフィレンツェ料理を出す、と言うことなのでここに決めた。なにより店の外に貼ってあるメニューがイタリア語なのが信頼できる。

 席に案内されると、アンティパストもプリモもすっ飛ばしてビステッカと、コントルニとしてインサラータ・ヴェルデ、そしてハウスワイン1/2リットルを注文する。本来ならばアンティパストくらい注文すべきなのだが、ビステッカを頼むとなると容認されるようだ。

 満を持して恭しく運ばれてきたその巨大な肉の固まり~その底面積は大皿の7割ほどを占め、その厚さはフォークの穂先を根本まで突き刺しても間で反対側に達しないほどである!~
は、先日の貧弱なそれとは大違いで、見るからにおいしそうであった。早速フォークを突き刺し、ナイフで切り込みを入れると、そこには、ばっちりレア、まさに人肌より少し温かいくらいに火の通った真っ赤な肉が姿を現す。ナイフに力を加えるにしたがって、じんわりと血が滴ってくる。そう、まさしく"al sangue(血の滴る)"だ。

 最初の一口を口に運ぶ。こんがりとした表面の香ばしい食感がまず広がり、それを一口噛むとじんわりと肉汁があふれ出す。肉本来の弾力ある歯ごたえとともに、内部の生の部分の滑らかな舌触りが広がってゆく。ほんのりとした温かみが肉の旨味を活性化し、まさにこれこそ素材の味をもっとも美味く生かした食べ方である、と納得する。本物だ。これこそ本物だ。

 ビステッカの量は想像を絶するほど多い。一見すると、まるで何分以内に食べきったら無料のチャレンジ料理ではないか、と思うほどである。しかしその美味さたるや、これまた想像を絶するほどである。一人で食べきることができるかどうかを危ぶまれた巨大な肉は、500ccのトスカーナワインとともにあっという間にその姿を消したのであった。

 また是非フィレンツェに、ビステッカを食べに~今度は複数人数で~行きたいものである。

 これほど大量の肉を食べ、もはや胃袋には寸分の余裕もないはずのところ、目の前にドルチェのワゴンが運ばれてくると、どこからともなく別腹が登場してしまう(苦笑)。これだけ暴飲暴食したのだから、この上にさらに何か食べたところでたいした影響はあるまいと開き直り、アーモンドをたっぷりまぶしたケーキを食し、エスプレッソを飲み干して会計を済ませ、思い腹を抱えながら何とかホテルに戻って眠りについた。(続く)
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コメント

店の名前は忘れましたが、ドゥオーモの裏にある店に入ったことあります。
日本人留学生の男子2名と行ったのですが、彼らがビステッカ・フィオレンティーノを注文すると、カメリエーレが「2人で1皿でよいのではないか?」と気を利かせていました。
…その時私はといえば、魚を食べました。
しかし、Tiberiusさんの文章を読むと、口中に肉汁が広がる様がありありと浮かんできて、やっぱり一度は本場でチャレンジすべきですね~

ところで、私は先日の旅行で、友人宅でビステッカ・マイアーレ・コン・オッソをふるまってもらったのですが、出てきたのは見事なレア。
悲しいかな固定観念に縛られていた私は「もっと焼いて」と頼んだのですが、ミディアムにしてもらったこれが美味でしたね~こんな美味しい豚は初めてでした。
帰国してから母に聞いたところによると、豚=レア×というのはあまり根拠がないとか。
私の友人一家は豚=レアが美味しいと主張していたので、次回はこちらにも挑戦したいです。

  • 2006/07/09(日) 01:18:32 |
  • URL |
  • なつ #3ItBdoaY
  • [ 編集]

ほほう、豚のレアですか。
しかし、考えてみればプロシュートは完全な生肉ですから、そんなに神経質に考える必要はなさそうですよね。
それに伝統的に豚肉には白ワインと言われていますが、白ワインの殺菌力は科学的にも良く知られていますし。
私もいつかトリノに行ったときは是非食べてみたいです。

ビステッカのほうは是非一度、本場で味わってください!

  • 2006/07/09(日) 19:29:16 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

地下蔵を改装したようなRISTORANTE "BUCA LAPI"で私も食べたことがあります。炭火焼きのレアな肉の旨味は何者にも代え難いものですね。半分位残しましたが…

  • 2006/07/10(月) 13:02:25 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

BUCA LAPIは有名なお店ですね。
半分残してしまったとはもったいない!
とはいえ、店によって量に差があるそうなので、もしかしたらその半分が相当な量だったのかもしれませんが。
いずれにしても、あれこそは日本では絶対に食べられない味ですよね。

  • 2006/07/10(月) 23:19:37 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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