趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

最終日~迷宮的旅行記第三章(16)

 翌朝は開場とともにエステ城を訪ねる。
 『ルネサンスの女たち』の最初の主人公イザベッラ・デステをはじめ、数々の名君を輩出したこの町のこの城は、イタリアの城としては相当大きなもので、西洋の昔話の絵本に書いてあるような、あるいはドラクエに出てくるような、日本人がイメージする西洋の城そのものと言う感じの城である。
 
 エステ城を見ながら権謀術数渦巻くルネサンスイタリアの政治状況に思いをはせ、久しぶりに塩野氏のルネサンス著作を読み返したくなった。

 エステ城を出た後は、フェッラーラを離れ、再びフィレンツェへ向かう。

 フィレンツェに着いたのは昼少し前で、空港につくまでの間をお土産買いで過ごすことにした。

 まずはトリュフパニーニで有名なプロカッチに向かい、名物トリュフパニーニを食す。トリュフの香りが官能的で、美味い。

 さて、何かこの店の保存食をお土産に、と思って、店員さんにお勧めを尋ねる。ここの店員さんの一人は見るからに東洋人で、もしかしたら日本語が通じるのではないか、と思ったのだが、しかし東洋人だからといって日本人とは限らない。中国人かもしれないし、韓国人かもしれない。イタリアにいるのだし、イタリア語で訪ねてみた。"Signiora,Parla Giapponese?”
回答は日本語で返ってきた。しめしめ。

 さてこの店員さんの一番のお勧めはサルシッチャのオイル漬けだったのだが、豚肉は税関で没収されるリスクがあるため、断念。変わりに、アンチョビを乾燥トマトでくるみ、唐辛子エキスをたっぷり抽出したオリーヴオイル(イタリアのラー油とでも言おうか;笑)に漬け込んだものを買った。

 次はワインである。地球の歩き方に乗っていたワインショップに行ってみたのだが、残念ながら昼休み(しかも伝統的シエスタ時間の昼休みなので、飛行機の時間の都合で断念せざるを得ない)だったため、別の店を探すことにする。

 ドゥオモの近くの裏通りにあったワイン店で、まずはキャンティ・クラシコを買う。いくつか種類がある中で、私が選んだのは、あのマキァヴェッリの子孫が作っているマキァヴェッリというものだ。塩野作品のファンとしては、また彼女の作品を通じてマキァヴェッリに畏敬の念を抱くものとしては、君主論の訳本まで読んだものとしては、これを買わずには帰れない。
 もう一本、エンリコ・ガッティがコレッリの音楽をたとえたウンブリアのサグランティーノ・モンテファルコを買いたいと思ったのだが、残念ながら売り切れだった。仕方ない。少々割高ではあるが、日本に帰って買ってみよう。

 プロカッチの小さな小さなパニーニでは、到底昼食には不足である。そこでイタリア最後の食事をフィレンツェでとることにした。

 地球の歩き方に、二言目にはリボリータ、リボリータとリボリータを絶賛する文章が載っていたので、まあ炭水化物中毒の日本人だからみんな喜んで食べてるんじゃないか、とは思うものの、そこまで言われちゃあ食わずに帰るわけにも行くまい、と、本来は冬の料理であるにもかかわらず、リッボリータを食べてみる。

 パンと野菜のスープ、と利いて、スープの中にスープをたっぷり吸ったパンが浮いているイメージを持っていたのだが、運ばれてきた料理は大分趣が違った。

 スープ、と言うより、おかゆ、と言う感じである。

 スープボウルの中には、スープをたっぷり吸わせて、おかゆ状になるまでコトコト煮込んだパンが入っていた。しかし、水分としてのスープはほとんど入っていない。まさにおかゆ上のパンと、具としての煮込み野菜が入っているのである。

 確かに、スープを良く吸ったおかゆ状のパンは、捨てがたい味であった。

 セコンドには、ボリート・ミストを注文した。かねがね一度食べてみたいと思っていたもので、低炭水化物ダイエットには最適のメニューである。この店のボリートミストは、牛すね肉をブロードでコトコトと柔らかくなるまで茹で上げたもので、サルサ・ヴェルデのさっぱりした味わいとともにおいしく食べられた。是非まねして作ってみよう。

 昼食を終え、最後に友人知人、事務所の皆様に配るようにカントゥッチを買い込み、旅行直前に個人的頼みごとを聞いてくれた事務所の後輩のためにグラッパを一本買って、いよいよフィレンツェを離れ、エールフランスでパリ経由で成田に戻ったのであった。(迷宮的旅行記第三章・完)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tiberiifelicis.blog10.fc2.com/tb.php/175-1d070281
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。