趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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『パルジファル』~職業病的同曲異演比較(1)

 ワーグナーの音楽は大変壮大な響きが印象的だが、作品の長さのほうも響きに劣らず壮大で、多くの作品が4時間以上かかる長い作品である。

 パルジファルもご多分に漏れず長い作品なので、録音では普通は4枚組みである。

 ところが。

 ブーレーズ指揮のバイロイト音楽祭のライヴ盤(グラモフォン、1970年録音)は、3枚組みなのである。

 私はてっきり大規模なカットがあるのだろうと思い、ブルックナーのスマートな演奏を聞いてこの録音にも興味を持ちながらもずっと聞かずにいたのだが、しばらくして衝動買いし、聴いてみた。

 一聴すると、私が最初に買ったパルジファルの全曲盤であるレヴァイン指揮のこれまたバイロイトのライヴ盤(フィリップス、1985年)と比べて、確かに早い感じはするのだが、それでもCD一枚分ほども大きな差を生じるほどの差ではないような印象を受けた。

 そこで私は、職業病的分析を試みたのである(苦笑)

 まず、ブックレットの歌詞を比較して、カットされている台詞がないかどうかを確認してみたのだが、驚くべきことに、カットはまったくなされていなかった。

 次に、幕ごとの演奏時間の合計を比較すると図1(下の画像の上のほう:クリックすると拡大します)のようであった。

この結果から、主要な差異は第一幕にあることがわかる。

次に、運良くトラックの区切りがほぼ同じであったので、トラックごとの演奏時間を比較してみた(図2:下の画像の下のほう。クリックすると拡大します)。

 こうして比較してみると、全体としては概ね八割程度の時間で進んでいるが、前奏曲と場面転換以後の終盤で差異が顕著であることがわかる。

 特に顕著なのは前奏曲で、レヴァインの演奏は他の演奏に比較して非常に遅いテンポで、対するブーレーズが非常に速い店舗であることからこのような極端な差が出ていると考えられる。

 全体的にはレヴァインの演奏はタメが長く、いうなればクイズミリオネアのみのもんたのような演奏といった印象を受ける。対してブーレーズはいつもながら概ねインテンポでスマートかつクールにシャキシャキと進んでいく。

 私は個人的な好みとしてはワーグナーやブルックナーなどのドイツロマン派は薄味好みなので、ブーレーズのさっぱりとした演奏が好きだが、クナッパーツブッシュ式の濃厚さを尊ぶ人にはレヴァインの演奏のほうが良いのであろう。

 冷静に考えてみれば、この神秘的で言ってみれば仰々しい作品本来の素材の味を生かした料理方法は濃い味付けになるのかもしれない。であるとすれば、私も濃い味に少しずつでも慣れていきたいものだ。そう、濃厚なウォッシュタイプのチーズのように、きっと慣れれば美味しいはずなのだから。図1

20060915005146.jpg

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コメント

 クナ位宇宙を感じさせる雄大な演奏でないと、ゆったりしたテンポに眠くなりますね。どっぷり後期浪漫派が好きな私でも、バレンボイムのような遅くて重い、或いはレヴァインのようにどっしりしたものより、早いテンポの方がこの曲には合ってる気がします。

  • 2006/09/15(金) 10:44:42 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

やはりそうですよね。
ブーレーズはお勧めですよ。

  • 2006/09/16(土) 11:56:44 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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