趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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シャルビューク夫人の肖像

 日経新聞の書評で大々的に取り上げられていたこの本を、私も手にとって読んでみた。

 私にとっては久しぶりの新刊長編小説である。

 19世紀末、NYで画家として生きるイタリア移民の孫ピアンボは、肖像画家として人気を博し、経済的には不自由ない生活を送っていたものの、己の制作意欲にではなく上流階級の虚栄心に奉仕する肖像画政策という作業にいささか食傷していた。

 そんなある日、彼のものとに破格の報酬で奇妙な仕事の依頼が舞い込む。依頼主のシャルビューク夫人に会いに行ってみると、彼女はついたての裏側に隠れたまま姿を見せない。そして主人公に、ついたて越しの会話だけをもとに、想像で自分の肖像画を描け、という。依頼を引き受けた主人公が夫人の下に通うと、夫人は奇想天外な半世紀を語り始めるのだった……。

 やがて主人公の身辺に奇妙な出来事が生じ始め、それらはやがてひとつの意図に修練していくのだが、この展開がまた読者をぐいぐい引き込む力をもっていて、非常に読み心地のよい作品だった。

 日経の書評の後にも、いくつかの雑誌で書評を目にしたのだが、これは本当に読む価値のある、一大エンターテインメントといえるだろう。

 私はこの作品を大いに気に入った。
 機会があれば一読されることをお勧めする。
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