趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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迷宮的旅行記第二章(2)~哀愁のヴェネツィア

 今回はアリタリアで、ローマ経由でヴェネツィアに入る。
 それにしても2月後半の飛行機代は安い。
 前回(9月後半)の約半額である。
 人が行かない時期に旅行に出かけられる、というのは本当に得だったのだなぁ、と、その特権を失った今しみじみと実感している。

 ローマ行きの飛行機はパリ行きと違って夜行便のような気の効いたものがないので、あきらめて昼間、日本を発つ。ローマには現地時間の夕方につき、飛行機を乗り換えて八時半ごろヴェネツィアに降り立つ予定だった。

 しかしここで、アリタリア名物の遅れである(苦笑)。
 ようやくローマで飛行機に乗り込んだのが、すでに八時半。
 まあ、余裕のあるときの遅れなので、おお、イタリアに来たな、と実感させてくれるのも悪くない。

 ようやくヴェネツィアについたときは十時を回り、メストレに出てホテルに着いたときはもうじき日付も変わろうか、というタイミングであった。

 しかし、移動で丸一日潰れてしまった。
 そう考えると、エールフランスの夜行便は本当にありがたいものだ。

 翌朝、メストレからバスに乗り、ヴェネツィア市内へと乗り込む。名高い水の都にはじめて降り立った印象は……

 どことなく、沈んでいる。
 なんだか、町が煤けているような印象だ。

 私は塩野七生氏の著作を通してヴェネツィアに親しんできたため、ヴェネツィアといえば絢爛豪華な宝石のような町、という先入印象をもっていたのだが、第一印象はその印象とは程遠かった。

 きっとどんよりと曇った重苦しい冬空のせいだろう。

 そう考えて私は、気を取り直してヴェネツィアの町の奥深くへと足を進めていった。

 大運河沿いの停留所でヴァポレット(水上バス)に乗り込み、運河沿いのお屋敷を眺めながらリアルト橋をくぐりぬけ、サン・マルコ広場へと向かう。サン・マルコ寺院の壮麗な建物を眺めて中に入り、その特異な一種独特の室内装飾ーどこかビザンツ的な雰囲気があるーを眺めて、祭壇後陣のスクリーンを鑑賞。これこそ、私が思い描いてきたヴェネツィアだ。

 サンマルコ寺院を後にした私は、リアルト橋を渡って対岸に行き、複雑な小道を抜けながらーヴェネツィアのもうひとつの顔、『迷宮都市』という側面を味わいながらーフラーリ教会へと向かう。お目当てはティッツィアーノ描く聖母被昇天の祭壇画だ。

 オフシーズンのせいか、教会内は人もまばらで、静まり返っていた。入り口を通って正面に、薄暗い教会の中のそこだけ光がさしたかのように、明るい絵が見える。近づくにつれてその祭壇画は輝きを増し、間近で見るその美しさは息を呑むばかり。素晴らしい!!
 こんな祭壇画を眺めながら毎週ミサに参列している信者たちは、まさに眼前に天国を見る思いがすることだろう。

 たっぷりとティッツィアーノの芸術を味わった私は、今度はサンロッコ信者会に今度はティントレットを鑑賞しに行った。
(続く)
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