趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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一世一代のミーハー行為~迷宮的旅行記第二章(11)

 翌朝、ホテルで朝食を済ませてチェックアウトした後、私は再びブリュッセルへと向かった。

 ナミュール駅には焼きたてのリエージュワッフルを売るスタンドがあったので、まだ食べていなかったリエージュワッフルを電車を待つ間に食べる。

 こちらは日本で同じのもちもち、ふわふわのあのワッフルで、生地に控えめにまぶされたザラメが味のアクセントになっている。寒い冬のベルギーの朝の温かい焼き立てワッフルは美味かった。

 ブリュッセルに着くと、まずは楽器博物館に向かう。
 ここは中世からの古楽器をたくさん展示している、古楽マニアにはたまらない施設で、名高いフレミッシュチェンバロの銘器がたくさん展示されている。
 そして楽器博物館の欠かせない楽しみは、ミュージアムショップである。およそ楽器博物館と言うところはほぼ例外なく、所蔵楽器で演奏した自主制作CDを売っているものだ。こうしたCDは質の高いものも多く、これをチェックするのはとても楽しみである。
 案の定、何枚かのオリジナルCDを売っていた。
 その中に、私がこよなく愛するヴァージナルで丸々一枚録音した記帳極まりないCDに、これまた私がこよなく愛するフィッシャーのパッサカリアをクラヴィコードで聞かせてくれるCDを発見し、早速ゲットである。

 午前中はたっぷり楽器博物館で過ごし、遅めの昼食を取りに市庁舎前広場へと向かった。ここに面した地下のレストランに入り、NHKで放映されたドラマの中でエルキュール・ポワロが自慢気に食べているのを見て以来一度食べてみたいと思っていた、野兎の黒ビールシチューを食す。
 あばら骨がぶつ切りのままごろりと出てくるような豪快な料理なのだが、味わいも見た目の通り力強く、鶏肉を濃縮したような濃厚なコクがボディーブローのように口中にドスンと打ち込まれるようである。それでいて肉そのものはたっぷり時間をかけて極めてやわらかく煮込まれ、一噛みすればたちどころにほろほろととろけていく。さすがは美食家のムッシュ・ポワロ絶賛の一皿である。
 もちろん、一緒に飲むのは、これを煮込むのに使ったのと同じ黒ビールだ。相性としてはこの上ない組み合わせである。

 昼食を済ませた後はしばらく町をぶらぶらし、電車でブリュージュへと移動する。ブルージュはベルギー北部のフラマン語(オランダ語)圏の町で、一歩駅を出るなり、ああ、ここはもうゲルマン文化圏だ、と実感する。

 町の風景が、まったくもってラテン文化圏と一変しているのだ。まず、建物の高さが高い。我々日本人が漠然とイメージするドイツの教会と言うと、高い塔がどーんと天にそびえるような印象があるが、まさにそのイメージにぴったりの教会が待ちのあちこちにあるのである。そして、住民の身長も、高い。看板や標識に刻まれた言葉も、一語一語の文字数が非常に長く、これがまたゲルマン情緒を感じさせてくれる。

 この町でのお目当ても、実はマエストロ・インマゼールのコンサートであった。昨日とまったく同じ内容のコンサートを、二日連続で追っかけると言うミーハー的行為である。まあ、人生に一度くらいそんなミーハー行為に及んでも罰は当たるまい。

 今夜のコンサートは、歴史ある教会で行われた昨夜のコンサートとは打って変わり、近代的なコンサートホールでの演奏であった。会場の音響の違い、そして会場の雰囲気そのものの違いから、演奏の傾向は大筋は同じであってもやはり細部で何となく変化が感じられる。会場の音響にあわせて若干テンポが速められているようであったり、どことなくクールな印象が吹かされて至り、といった具合である。

 この日の演奏も申し分ないもので、私はホテルに戻り、ホテル内のバーで軽く一杯飲んで眠りについた。
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コメント

実は

私もブリュージュに行きました。同じくTFさんの行かれた2年ほど前ですが(笑)。
ブリュージュの思い出といえば、
大きな時計塔があった、
馬車をひく馬が馬糞を出しまくりだった、
教会の入り口に『お静かに』と日本語で書いてあった、
ことでしょうか。
まったくジャパンマネーときたら・・・

あと、楽器博物館ではないのですが、ユトレヒトでオルゴール博物館に行きました。
が、特に思い出はありません(笑)

  • 2006/11/12(日) 10:57:44 |
  • URL |
  • Miles的・・・ #-
  • [ 編集]

 ブルージュは確かにフランドルですから、フランス語圏とは町の雰囲気も違いますね。此処には1989年末から翌年3月まで住んでました。
 友達の和食の店の立ち上げで、看板描いたり、障子を貼ったり、日本語メニュ書いたり、そんなことばかりで観光したことがありません。しこたまビールだけは色々な種類を飲みましたが…

  • 2006/11/13(月) 20:55:50 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

>Miles的…さん

 広場にあった大きな時計塔は私も見ました。
 運よく、機械人形が動き出す時間に程近い時間だったので、15分ほど広場で待って機械人形の踊りを楽しんだのを覚えています。

>gramophonさん

 どんな町でも、住んでしまうと、なかなか観光には行かないものですよね。
 しかし三ヶ月すんでいれば毎日違ったビールを飲み比べたりできますね。私もいつかやってみたいです。

  • 2006/11/13(月) 23:26:28 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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