趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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続・買い物なんかしてる場合じゃないんです~迷宮的旅行記第二章(14)

 さて、食後はドゥオモに出かけ、この少し前に映画が少々もてはやされていた冷静と情熱の間でおなじみのクーポラにも上ってみた。

 残念ながらドゥオモ正面のファザードは修復中のため、あの壮麗な姿を味わうことができなかったのだが、内部の荘厳さはさすがで、重厚な石造建築の風格には圧倒されんばかりであった。

 ドゥオモを後にした私は、開館日ならばスフォルツァ城にでも行くところだったが、残念ながら休館日であったので、特にどこという当てもなく、ミラノの町を散歩してみることにした。

 日本でも私は住宅街を散歩して歩くのが好きなので、ミラノでも住宅街を狙って歩く。

 うまいこと、庭付きの戸建て住宅が並ぶ高級住宅街にたどり着き、おそらくは19世紀にもさかのぼろうかという立派なお屋敷、手入れの行き届いた庭などを眺めながら町並みを楽しむ。非常に心地よい一角だ。

 さらに歩いていると、不思議な庭が見えた。
 まるで日本の桜のような木が、二月末のイタリアの寒空の下に白い花を満開に咲かせているのである。

 あの花はいったい何の花だったのか。ほかのどの家にもそんな花は見かけなかった。謎である。

 そんなこんなで散歩を楽しんだ後、いったんホテルに戻り、少し仮眠を取ってスーツに着替えて今回の旅行最後のコンサートへと向かう。そう、ミラノといえばすぐ思い浮かぶ、スカラ座である。

 残念ながらスカラ座は改装工事中だったため、ミラノ郊外のアルチンボルド劇場というホールでの公演、しかもオペラではなくコンサートだったのだが、ムーティ指揮下のスカラ座オーケストラで聴くカルミナ・ブラーナは大変によかった。この作品の劇的な表情が、オペラティックに存分に引き出される。やはり世界に名をとどろかす一流は、一味違うものだと実感である。

 コンサートのあと、シャトルバスでガッレリア前に戻ってきたのだが、仮眠を少し取りすぎて時間が押し、何も食べずに出かけたため、かなりの空腹を抱えていた。

 イタリアにはコンビニもないので、最悪ホテルの冷蔵庫のピーナツで飢えをしのぐか、などと考えていたところ、予想外にレストランが営業しているのを見つけた。

 夜の早いイタリアにはとても珍しいことなのだが、とにかく空腹だったので、まともな食事ができる、と小躍りして店に入った。

 イタリア最後の晩餐にはまずはサフランをたっぷり利かせたミラノ風リゾットを味わい、次いでメニューに載っていた鹿肉のシチューを注文した。鹿肉は決め細やかな食管が独特で、トスカーナの赤ワインとの相性もよく、私は満足して帰路に着いた。

 しかし。

 明け方私は、強烈な吐き気で目が覚めた。

 どうやら食中毒のようである。

 胃の中が空になるまで嘔吐は続き、吐くものがなくなると今度は下痢である。

 当初、午前中はミラノ市内のCDショップをめぐってレア物を探そうと思っていたのだが、この体調ではとても無理である。買い物なんかしてる場合じゃないんです、違った意味で(死)。最終日だったのが不幸中の幸いだ。

 ひとしきり悪いものが出尽くしたのか、2時間ほどの苦しみの後に症状はやや落ち着いた。固形物を受け付けなくなっていたので朝食は取らずにホテルをチェックアウトし、日本から持っていっていた強力整腸剤のミヤリサンを飲んでまっすぐ空港へ向かう。夕方の飛行機を待ちながらじっと空港のベンチに座っていると、少しずつ症状が回復し、午後3時ころにはようやく食欲が回復したので、暖かいブリオッシュにカプチーノを飲み、元気を取り戻す。免税店に土産用にワインを2本とパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり買い込む。

 ようやく飛行機に乗り込んで、一路日本に帰ったのであった。

 最終日には体調を崩してひどい目にはあったものの、盛りだくさんにめいいっぱいやりたいことを詰め込んだ、とても充実した旅行だったと思う。
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コメント

おやおや。
食中毒なんて事件があったのですか。
私は海外であたった経験は、帰りの機内食は別にすると、パリの惣菜屋でキッシュを買って、ひとつ星ホテルの屋根裏部屋で食べた時でしたっけ…。
幸い、たいしたことなく済んだのですが、それよりあのオペラ座の近くの路地裏にあった戦前のフランス映画に出てきそうなホテルがまだ残っているのか気になります。
私が今のTiberiusさんの年頃に決行した、ほとんどバックパッカー貧乏旅行の時のお話。

  • 2006/11/17(金) 00:01:21 |
  • URL |
  • なつ #3ItBdoaY
  • [ 編集]

そうなんですよ。
あれはひどい目にあいました。

戦前のフランス映画ですか。
歴史ある建物を大切にするフランスなら、経営は変わっても建物はあるかもしれませんね。

  • 2006/11/17(金) 19:48:58 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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