趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ピアノアリア~モーツァルトフォルテピアノ協奏曲全曲レヴュー(10)

 第12番イ長調、K.414。第三楽章のロンドは後年の再演の際に差し替え版K.386が作曲されている。
 
 11番から13番までの「ウィーン三部作」の二番目である。

 イ長調のこの作品は、フォルテピアノによるアリアとでも言うべき流麗な歌にたっぷりあふれた作品である。特に、いつものことながら最終楽章のロンドは、原点版差し替え版ともに、魅力的メロディの宝庫である。イ長調という調性は、後の23番などとともに、モーツァルトのメロディーメイキングの才能を特に顕著に刺激するのかもしれない。

 ソフロニツキの演奏はこれまた速すぎず遅すぎず、まさに自然な息継ぎのテンポでたっぷりと歌わせ、アリアの雰囲気十分である。今までまったく知らなかったが、この演奏家は非常に才能あふれる演奏家だと思う。ほかに録音が出ていないか探してみねばなるまい。

 同曲異演は、ビルソン、インマゼール、レヴィンのおなじみ三人に加え、ミグダル、ルービン、スコダと六種類ある。

 この魅力的なメロディはやはりフォルテピアニストたちの芸術的意欲をくすぐるのだろう。

 六種類全部聴きなおすのはやはり厳しいので、いつもの三人を軽く聴き比べてみた。

 レヴィンはシュタインモデルのフォルテピアノの明るい音色を生かし、随所に彼らしい知的なアドリブを聞かせながら、非常に楽しませる演奏である。ホグウッドの指揮が、彼らしいスピード感を効かせていて、歌を聴くには少々せっかちな印象もあるものの、それはそれでまた心地よい。
 対してインマゼールは、弾き振りならではのコントロールの妙を見せ、オケとフォルテピアノが一体となってこの作品の豊かなメロディを味わわせてくれる。
 ビルソンの演奏は、フォルテピアノによる始めての録音ということを強く意識したせいか、歌よりも語りを重視しているように思われる。もちろん、この作品が歌にあふれているにしても、語りはフォルテピアノを演奏する上では決して避けて通れない重要要素であるから、これはこれで後世の範たる録音と評価できるだろう。
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