趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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サーヴィス精神~モーツァルトフォルテピアノ協奏曲全曲レヴュー(12)

 第14番変ホ長調、K.449。

 息の長いメロディとややゆったりしたテンポが非常にリラックスした雰囲気をかもし出す第一楽章、やさしいメロディが聞くものの心をほぐす第二楽章、輝くばかりの名人芸で饒舌に語る第三楽章、と大変サーヴィス精神あふれる魅力的な作品である。

 ウィーンに出たモーツァルトはしばしば予約制のコンサートを開催し、ウィーンの音楽通たちを沸かせていた。この作品も、そんな予約演奏会で披露するために書かれた作品である。

 やはりこれから名を上げようという次期の作品だけあって、本当にサーヴィス精神旺盛だ。それでいて決して内容の空虚なものではなく、最上のエンターテインメントというべき充実ぶりが、さすが天才アマデウスである。

 ソフロニツキの演奏は彼女の愛用のフォルテピアノのヴィヴィッドな音色を生かし、満面の笑みが浮かんでくるような楽しく充実した演奏である。

 同曲異演は、ビルソン、レヴィン、インマゼールの三者のみ。いずれも全集の一環である。これほど魅力的な作品ではあるが、どうやらフォルテピアニストたちの関心はそれほど強くひきつけることができていないようだ。

 レヴィンはこれまでのシュタインをヴァルターに変えて、ヴァルターらしいくすんだ渋い音色をバックにいかにも彼らしい気の利いた知的な演奏を聞かせてくれる。

 ビルソンは比較的はやめのテンポできびきびと、しかしながらいつにもまして繊細な音色表現で深みある演奏を聞かせてくれる。

 インマゼールは非常にパワフルな演奏で、ウィーンの名声をほしいままにして見せようというモーツァルトの意気込みがよみがえってくるようである。

 量は少ないが、いずれも充実した演奏に恵まれているといえるだろう。
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