趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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純白の輝き~モーツァルトフォルテピアノ協奏曲全曲レヴュー(23)

 第25番ハ長調、K.503。

 しばしば純白にたとえられる、ハ長調の響きを前面に押し出し、透明感と壮大感にあふれた堂々たる大作である。22~24に見られるような管楽器の活用は一歩後退しているものの、対位法をところどころで使いながら精緻でかっちりとした構造感を持っている。

 フォルテピアノ協奏曲の中では比較的地味な印象があるが、じっくりと味わって聴くとあたかも純粋な湧き水を源泉から救って味わうかのような清涼な味わいが感じられ、聴き込むにつれてそのよさがわかっていくタイプの曲といえる。

 ソフロニツキの演奏は、彼女が使用するフォルテピアノのヴィヴィッドな音色を生かし、この作品の輝かしさをたっぷりと味わわせてくれる。推進力のある速目のテンポ設定と明瞭に分離した響きのオケはこの作品の構造をはっきりと示し、特に第一楽章で目立つ対位法的なパッセージもその構造がはっきりとわかるのが魅力的だ。

 同曲異演は、ビルソン、インマゼール、タン、ミグダルの4種ある。

 ビルソンの演奏は、彼の使用するフォルテピアノの軽やかな響きを生かし、この作品の透明感に一種の浮遊感、飛翔感を付け加え、聴き心地がとても良い。ガーディナー指揮のよく整理された感じのオケの伴奏がまた、ビルソンの音楽性にマッチしていて好ましい。

 インマゼールの演奏は、どっしりと腰を落ち着けたテンポでオケを雄大に響かせ、この作品の威風堂々たる性格をたっぷりと引き出している。フォルテピアノのソロも雄弁に説得力あふれる語りを繰り広げる。

 タンの演奏は、ハ長調の響きの持つ無邪気さを前面に出し、ノリントン指揮のこれまた明るく無邪気なオケの伴奏とあいまって、非常に楽しげな演奏である。特に、彼ならではのメカニカルな爽快感、タッチの繊細さが快い。

 ミグダルの演奏はインマゼールに通じるゆったりした堂々たるテンポによっている。ほかの演奏に比べるとカンタービレな印象が強い。特に第三楽章のロンドのメロディの表情付けが充実しているように感じられる。
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