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通販でワインを買った。
イタリア南部、ナポリを擁するカンパーニア州の老舗名門ワイナリー、マストロペラルディーノ社の製品で、ギリシア人が入植の際に持ち込んで以来2,800年の伝統を誇る土着のぶどうで作ったという一品である。
私はこれにラムステーキを合わせようと思った。
イタリア中南部のやり方で、塩、胡椒、オリーヴオイル、レモン汁でシンプルに焼き上げ、素材本来の味を生かすやり方により、手軽でおいしく、特にローマ以南のパワフルなイタリア赤ワインにはぴったりのメニューである。
仕事帰りにラム肉を調達し、料理の前にまずはテイスティング、と抜栓する。
しかし、ワインがボトルから流れ出てきたそのとき、私に衝撃が走った。
何と、白ワインだったのである!
これは由々しき事態だ。ラム肉に白ワインを合わせねばならなくなってしまったのである。ラム肉といえば、典型的な赤ワイン向けの食材。これに白ワインを合わせよ、という無理難題に直面することになったのだ。
とりあえず落ち着こう、と、私はまず注いだワインをテイスティングしてみた。南イタリアの強烈な日に焼かれて育った土着品種だけあって、白であってもパンチ力のある、コクのある味わいだ。これなら工夫次第で何とかなるかもしれない。そんな希望を抱かせてくれた。
残りの一口を口に含んだ瞬間、ひらめいた。
アイリッシュシチューだ、これしかない!と。
アイリッシュシチューは、ラム肉、ジャガイモ、たまねぎ、にんにくなどを塩コショウでゆでた料理で、アイルランドの定番家庭料理である。
緊急事態とて、たまねぎもジャガイモもにんにくもなかったのだが、ローリエがあったので、ラムチョップにローリエを塩コショウでゆでる。
ごくごく弱火でことこと煮込むことおよそ20分。
ラムチョップはあまり煮込むと硬くなるので、本格的に事子と煮込むことは避け、早めに切り上げる。
それでも骨付き肉からのダシはたっぷり出ていて、とてもおいしいラム風味のスープに、しっとり茹で上がったラムチョップがいい感じにマッチした。
煮込む間に冷やした白ワインはこれまたいい感じに冷やされ、さっぱりと茹で上げたラム肉~それでもラムだけあってなかなかに濃厚ではあるのだが~と組み合わせても、決して負けることはなかった。むしろ、ゆでられてマイルドになったラムの風味と寄り添いあって、悪くない組み合わせになったと感じられた。
緊急避難ではあったが、ひょうたんから駒的な成功を得ることが出来たと思っている。
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