趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ペレアスとメリザンド

 今週は一週間出張していた。

 で、夜は特にすることもないので、ポータブルDVDプレイヤーをホテルのTVにつないで、未視聴DVDを見ることにした。

 今回見たのはドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」である。
 二階の窓から女が長い髪をたらし、男がその髪に触れながら愛を語るという、一種独特のフェティシズム的な場面で名高い作品である。

 この、女が長い髪を窓からたらし、外にいる男がそれに触れる、という構図は、このオペラのほかにも、The Highwaymanにも出てくるし、グリム童話のラプンツェルの物語などにも登場するモチーフである。欧米の男たちはそういうのが好きなのだろう。短髪好きの私には興味の持てない構図である(笑)。

 さて、このオペラはドビュッシーの作品で、ここでも彼ならではの透明感と色彩感をたっぷりと味わうことが出来る。そして、その作り出す音世界はなかなかに官能的だ。ストーリーが不倫ものということもあり、どことなく「トリスタンとイゾルデ」を髣髴とさせるところもある。

 しかし、ワーグナーの濃厚きわまりないあの音楽と違って、ドビュッシーらしくとてもさっぱりした仕上がりになっている。夫と愛人と三人で和やかに微笑みながら辛らつなイヤミを言い合う文化から生まれた作品といえるだろう。

 ブーレーズの音楽作りも、彼ならではのシャープな切れ味がドビュッシーの透明感、色彩感を際立たせ、非常に心地よい。

 とっつきにくいオペラ、とされるこの作品だが、よくよく聴いてみると激情型のイゾルデよりむしろ一枚上手かもしれない。トリスタンとイゾルデを愛する人ならば、聞いて損はない作品だと思う。
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