趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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システマティック・リスクとアンシステマティック・リスク

 
 "神に祈りたまえ、常に勝者の側に立てるように、と。
 なぜなら、勝者の側に立っているだけで君に何の功績もなくとも賞賛されるのに対し、敗者の側に立っているだけで君に何の落ち度もないのに非難されるからだ。"
      ~フィレンツェ貴族グィッチャルディーニ、「覚書」


 投資理論の基本論点に、システマティックリスクとアンシステマティックリスクという概念が登場する。

 個別銘柄に固有の価値変動要因がアンシステマティック・リスクであり、個別銘柄すべてを組み合わせた市場平均ポートフォリオを構築することでリスクの分散効果が生じ、アンシステマティックリスクは無視できるほど小さくすることが出来るというのが投資理論の出発点となっている。

 これに対して、市場全体のマクロ的な価値変動要因をシステマティックリスクといい、これは投資家がリターンを追及するためにはどうしても負担しなければならない回避不能なリスクとされている。

 アンシステマティック・リスクは、上記の説明のとおり、日経平均やTOPIXのような市場平均と同等なポートフォリオ(個別銘柄の組み合わせ)の構築により回避できる。システマティック・リスクはどうあがこうとも回避不可能なので、投資家はシステマティック・リスクに見合うだけのリターンを追及することによってリスクをテイクする。もちろん、市場平均を超過するリターンを狙って、アンシステマティックリスクをあえてとることも可能である。

 このことは、金融資産の投資に限らず、わが身の労働力の投資、すなわち職業に関しても同等なことが言える様な気がする。つまり、職業のリスクと職場のリスクということを考えてみる。

 個別の職場のリスク要因がいわば労働力投資のアンシステマティック・リスクであり、すべての職場にマクロ的に共通する、その職業そのものが性質上抱えているリスク要因がシステマティック・リスクというわけである。

 つらつら惟んみるに、今日わが職場で行われた"玉音放送"のごとき事態は、一見すれば個々の職場の価値変動要因、すなわちアンシステマティック・リスクのように思われるかもしれない。しかし、斯くの如き無条件降伏を招く事態は、むしろこの職業に固有のマクロ的な要因であって、システマティック・リスクと評価すべき性質と考えるほうが妥当である。

 したがって、この職業に労働力を投資しようという場合、そこから得られるリターンの期待値がこの職業のシステマティック・リスクに比べて十分に大きいといえるかどうか、が問題となる。

 歴史的には、この職業は、システマティック・リスクに対して十分に魅力的なパフォーマンスをもたらしていた。しかしながら、この数年の環境の大きな変化は、システマティック・リスクを著しく高める一方、パフォーマンスは低下の一途をたどっている。現状では、この職業がシステマティック・リスクに見合う十分なパフォーマンスをもたらしていると評価することは出来まい。

 とすれば、リスク回避型の懸命なる労働力の投資家が取るべき手段はただ一つ。

 魅力のない投資対象から労働力を引き上げ、より低いリスクでより高いリターンをもたらす投資対象に労働力を投下すること。これに尽きる。


 "現状維持を望むなら我々は換わらねばならない"
          ~ルキノ・ヴィスコンティ、「山猫」
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コメント

まさに『人生万事ポジショニング・アプローチ』ですね。
経営学即是人生学也。

御者のますますのご発展を祈念しますとともに、今後もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
合掌

  • 2007/02/21(水) 13:37:21 |
  • URL |
  • Miles的・・・ #-
  • [ 編集]

お祈りありがとうございます。
しかし、合掌って(笑)

次の労働力の投下先は順調に決まりつつあります。
確定したらそのうちお知らせしますね。

  • 2007/02/21(水) 22:30:43 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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