趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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濃茶初体験

 私は茶道というものを習ったことが一度もない。
 
 子供の頃からちょっとした興味や憧れはあったのだが、親の趣味ではなかったようで、ついぞ触れる機会に恵まれなかった。

 で、ふとしたきっかけで茶道の奥義に「濃茶」なるものが存在する、という話を聞き、私の興味はいや増していった。

 この「濃茶」というのは、抹茶をほとんどペースト状に練り上げた、ポタージュスープのようなとろとろのお茶なのだそうである。

 しかし、そんなものを飲ませてくれる飲食店など効いたこともなく、飲みたければ自分で茶道を習うか茶道を習ったことのある人に立ててもらうかしかなさそうであった。

 しかも、この「濃茶」、奥義だけあって習い始めてもちょっとやそっとでたどり着くものではなく、実際に茶道を習ったことのある知人に聞いてみたところ、濃茶にたどり着くまで習い始めて5,6年はかかるのだそうである。

 さてそんな幻の奥義を味わう機会など資産運用だけで生活できるようになった来るかどうかもわからない遠い未来の見果てぬ夢か、と半ば諦念をもって思っていたところ、ある茶房で裏メニューに濃茶を出していると教えられた。これぞ千載一遇のチャンス、これを頼まないわけには行かない。

 初めて目にした濃茶は、あたかもハーゲンダッツの抹茶味が融けたかのようなねっとりとしたペースト状に練り上げられ、茶碗を口に当てて傾けてもなかなか流れてこない。じわじわと、流れてくるのを気長に待ち、ようやく唇に触れ、口の中に入ってくる。

 ……美味い。

 抹茶のさわやかできりりとした苦味が濃厚に凝縮され、舌触りの滑らかさとあいまって口の中でふわりと膨らんでいくような、実に一種独特の食感(そう、「食べる」感覚により近いものがある)と風味を持っている。頭の中でコレッリの合奏協奏曲のメロディが鳴り響くような、まさに天馬空を行く、とでも言うべき不思議な味わいだった。

 友人と二人で半分ずつ(といってもほんの二口ずつといった程度の量だが)味わい、ひとしきりその無二の味わいを堪能した後、茶碗にこびりつくように残っている抹茶で薄茶をたててもらった。これもまた美味。

 世の中、まだまだ未経験の斬新な味わいというものがあるのだなぁ、とつくづく実感した瞬間であった。
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抹茶抹茶(まっちゃ)は緑茶の一種。茶道で用いられるほか、和菓子、かき氷、アイスクリーム、チョコレート、料理の素材などとして広く用いられる。黒味を帯びた濃緑色の濃茶(こいちゃ)と鮮やかな青緑色の薄茶(うすちゃ)がある。濃茶は茶杓に山3杯を一人分として、たっ

  • 2007/08/09(木) 16:03:38 |
  • 飲み物の感想Etc
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