趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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建物めぐり~迷宮的旅行記第5章(5)

 翌日は、王宮をたっぷりと見て回る。

 時差の影響か、現地時間毎朝六時過ぎに目が覚めてしまうので、時間はたっぷりとあったので、ウィーン・ミッテ駅近くのホテルから王宮まで約三十分の道のりを散歩がてら歩いてゆく。

 リンクに沿って時計周りに約1/4を踏破し、ブルク公園を抜けて正門へ。

 正門前に、発掘されたローマの遺跡が公開されていた。ここはもともと、侵入するゲルマン民族を食い止めるローマ帝国の防衛基地だったところで、その上にゲルマン民族の皇帝が王宮を築いたというのもまた歴史の皮肉というものだろう。

 正門を抜けて、まずは王宮のメインを見て回る。
 これまたビーダーマイヤー調の作りで、つい90年前までの帝政時代の空気がリアリティを伴って感じられるのが、やはり現場等もののすごさだろう。

 主要展示箇所を抜けると、「シシー博物館」というのが続く。シシーというのは、フランツ・ヨーゼフ皇帝の皇后だったエリザベートのことで、その数奇な人生は映画やミュージカルの題材とされており、一般の人気も高いようだ。
 エリザベート皇后というと、宮廷を嫌った旅行生活や、暗殺された悲劇の皇后、といったキャラクターから、一種美人薄命的なイメージである。

 しかし、享年60歳。フランツ・ヨーゼフ帝の長寿に比べれば確かに短命だが、当時の平均寿命を考えれば立派に長生きしているといえるのではないか。

 といったことを感じつつシシー博物館を一通り見て、今度は銀器博物館へ。ここはすごい。歴代皇帝の使用した銀食器の数々がずらりと展示されている。いったいどれだけの銀が使われていることだろうか。塩野七生氏のエッセイに、銀食器でする食事の魅力について書かれていたものがあったが、一度体験してみたいものだ。

 その後、宮廷礼拝堂や、古楽器博物館などをじっくり回り、思う存分王宮を回りつくすとすでに午後2時を過ぎていた。

 さすがに空腹だったので、地球の歩き方を参考に、王宮近くのレストランでグラーシュを味わう。ドイツ語圏ということでオーストリアの食事にはあまり期待していなかったので、とりあえず名の通った地元料理を一通り試してみて、耐えられなかったら中華でも、などと考えていたのだが、意外にオーストリアの食事はおいしかった。やはり、リメス・ゲルマニクスの内側で、その後の宗教改革の時にも決してプロテスタントを受け入れなかっただけあって、ローマの美食文明を承継しているのだろう。

 グラーシュは、一種のシチューで、トマトとパプリカをベースにしたほろ苦いコクのあるルーに牛肉が煮込まれている。進められたビールを素直に注文したが、これは確かにビールに合う味だった。

 満腹になった私は、今度は腹ごなしに、現代建築の傑作として名高いフンデルト・ヴァッサーハウスを訪ねた。さすがに食後すぐの徒歩は厳しかったので、今度は地下鉄で。

 フンデルト・ヴァッサーハウスはあくまでもウィーン市営住宅、すなわち民家であり、観光客の内部立ち入りは許されない。とりあえず、その圧倒的な存在感と、どこかこちらににこやかにほほ笑みかけてくるような親しみのある風景を眺め、写真に撮る。

20070708234310.jpg



 すると、この建物の二階がカフェになっていて、ここならば観光客も立ち入りできることが分かった。というわけで、早速コーヒーを飲みに行く。

 ところが、入口にいた人々がとても美味しそうなストロベリーシェイクを飲んでおり、焼けるような日差しとクーラーのない室内の暑さも手伝って、私はそれを頼んでみた。

 しかし、日本でシェイクと言えばシャーベット状の冷たい飲み物であるが、どうやらオーストリアでは室温のイチゴと冷蔵庫の牛乳で作るもののようで、ぬるくはないが冷たくもない、という微妙極まりない温度だった(苦笑)。まぁ、イチゴの風味が豊かでおいしかったのだが、やはり冷たさも欲しかった。

 フンデルトヴァッサーハウスを堪能した後は、いったんホテルに戻って少々仮眠をとり、スーツに着替えてオペラを見に行く。(続く)
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