趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ふくと汁鯛もあるのに無分別(芭蕉)

 私が日本人であることの誇りを最も強く感じる日本人の偉業、それは縄文時代からどこに毒があるのかもよくわからないまま、毎年多数の中毒者を出しながらも経験と勘だけを頼りに数千年間フグを食べ続けてきた、ということだ。

 で、1950年ごろ、九州大学の教授が日本近海で漁獲のあるすべての種類のフグを解剖して丁寧に分析し、科学的にどこに毒があってどこに毒がないかを証明したのだそうである。

 その教授のおかげで、すべてのフグの卵巣には毒がたっぷり含まれていて、必ず当たることが明らかになった。

 だが、フグにかけるわれわれの祖先の情熱は、長期間ぬか漬けにして発酵させることで毒を分解し、フグの卵巣を食べられるようにしてしまうという離れ業をやってのけたそうである。大和魂万歳!

 というわけで、この間件のぬか漬けをネット通販で見つけ、ようやくそれを口にすることができた。

 薄く切ってそのまま日本酒のつまみにするか、濃い目に入れた緑茶とともに茶付にて食すのが美味、と説明されていたので、まずは薄切りをつまんで日本酒を飲んでみる。

 ……すさまじいしょっぱさだ(苦笑)

 なるほど伝統的な日本の味付けである。これはしょっぱい。しかし、現代風に減塩にしてしまうと毒が抜けきらないリスクがあるらしく、他の漬物と違って減塩などは許されないらしい。

 日本酒(わざわざ産地の近い石川県産にしてみた)を飲んでみても、塩辛いばかりで他の味が正直良くわからない。

 外見はちょうどたらこのようになっているので、薄切りのつぶつぶをほぐして、箸の先にほんの一つまみ、耳かき一杯分あるかないかという量を口に運び、前歯で粒粒をかむように味わってみる。

 ようやく適切な量となったようで、日本酒の甘みとぬか漬けの塩辛さと、いかにもフグらしい淡白でありながらパワフルで、透き通るようなうまみが口に残る。

 いずれにせよ、本当なら毒があって食べられないものを何年もかけて毒抜きしてまで食うというのが楽しい。

 ……しかしこれ、絶対食べきれないな、この量は(苦笑)
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