趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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良い時代が来たものだ~同時代楽器によるショパンの更なる隆盛

 一昔前には、ショパンコンクールの優勝者がフォルテピアノでショパンを録音するなど考えられないことだった。

 しかし、古楽復興の普及と発展は、ついにショパン・コンクールの優勝者に、ポーランドショパン協会所蔵の1849年の(ちょうどショパンが没した年の、ぎりぎり同時代に間に合った楽器だ)エラール製のピアノで協奏曲を入れるに至ったのだ。

 よい時代が来たものだ。
 かねがね、私は19世紀前半の、特に1830年代のフォルテピアノの繊細な味わい、特に極めて木質の高音の弱音の醸し出す夜空の星のようなほのかで冷たい輝きに魅了されてきた。ようやくこの魅力が広く一般に普及してきたというのは何とも嬉しい。

 この偉業を果たしたのは、1980年の優勝者、ダン・タイ・ソンである。オケは古楽界の重鎮中の重鎮、ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラ。表現スケールの幅の大きさ、ダイナミックな音楽づくりに加え、何よりも繊細な弱音表現の素晴らしさで知られる巨匠の棒さばきはショパンの伴奏には最高最善に違いあるまい。

 ダン・タイ・ソンのソロは、この巨匠の緻密絶妙な伴奏にサポートされて、ショパンの醍醐味たる美しく繊細な弱音表現をたっぷりと味わわせてくれる。エラールならではの木質の響きが、私好みの高温の木質の弱音をたっぷりと聴かせてくれる。

 ポーランドのマイナーレーベルからの発売なので、おそらくあっという間に市場から姿を消す定めの録音だろう。なくならないうちにぜひ買うべき、貴重な一枚だ。
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コメント

なかなかの演奏でしたね。
ところどころ聞きなれないフレーズもあったりと楽しめました。

  • 2007/10/02(火) 00:26:09 |
  • URL |
  • fratres #-
  • [ 編集]

そうそう、きっと稿が違うんでしょうね。
ダン・タイ・ソンはやはりうまいなぁ、ショパンを隅々まで理解しつくしているなぁ、という印象が強いです。

  • 2007/10/03(水) 00:36:23 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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