趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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羊乳のカマンベール

例のチーズ専門店の閉店は9/15に迫っている。
 
 で、閉店売り尽くしセールで2種で2100円均一、というのをやっていたので、すかさず「ウォッシュタイプで、一番香りの強いものと二番目に香りの強いものをください。ヤギモノか羊モノがあれば是非それで」と、まさに売りつくしセールの救世主のような注文を見せの人にしたところ、それはそれは嬉しそうな顔で進めてくれたのがこれ、その名もキャトルフィ-ユなるチ-ズである。

 店員さんの説明によればそれはなんでも「羊のカマンベール」だそうで、セロファンでびっしりと包装されているにもかかわらずウォッシュタイプらしい強い香りが漂っていた。

 期待に胸を膨らませて家に持ち帰り、早速包装を解く。素晴らしいことに、包装の折り目を一回解くごとにその強烈な香りが強まっていくのが感じ取れるのである。そしてすべての包装を解き、白カビに包まれたチーズの全体が露出すると、その香りたるやすさまじく、店の人が一番香りの強いチーズと太鼓判を押すのもむべなるかな、と感心してしまうほどである。

 そして最初の一口をほおばると、あまりの香りの強さに一瞬、まるで強い蒸留酒を含んだような酩酊に似た感覚を覚える。一瞬の幻惑から意識が戻るにつれ、ウォッシュタイプに特有の凝縮されたアンチョビのような熱性の香りと、羊特有の冷たさをもった香りが同時に口の中に広がり、香りの交響曲とでも言うべき立体的な香りのハーモニーが鼻腔を駆け抜ける。そこでワインを一口含み、果実の香りを加えるとそれはもうまるでワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の複雑な和音の洪水に身をゆだねる陶酔感にも似た悦楽の洪水である。

 日本人にこの快楽が受け入れられないとは、なんとも残念な話だ。いつの日かこの香りが、日本の日常に溶け込む日が来たらんことを!!
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