趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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絶望的な論理欠如

 こんな話は書きたくもないが、書かずにはいられない、そんな思いに駆られてしまった。

 混合診療をめぐる健康保険適用可否問題の議論なのだが、「混合診療を認めると金のあるなしで受けられる医療サーヴィスの格差が拡大するから反対」という意見の論理欠如についてだ。

 混合診療というのは健康保険で受けられる医療サーヴィスに受けられない医療サーヴィスを組み合わせ、前者には保険適用、後者には保険不適用とすることである。現状では、保険対象に認められない医療サーヴィスで副作用が生じてその治療代を保険で負担させられるのはまっぴらごめんだという理由で、運用上自由診療を受けると治療全体に保険適用が拒否され、全額自己負担とされている。

 ここで混合診療を認めると、治療全体に必要な受益者の資金負担は低下し、認めないと、増大する。仮に混合診療を認めて十万円の保険適用医療サーヴィスに十万円の保険適用外医療サーヴィスを組み合わせた場合、三割負担とすれば保険適用で三万、適用外で十万、合計十三万の負担となるが、認めない場合、適用部分も自己負担となり、合計二十万円の負担となる。

 したがって、混合診療を認めれば受診者の必要キャッシュフローが減少し、所定の予算枠を制約条件とした場合の利用可能サーヴィスの予算ごとの格差は縮小し、認めなければ拡大する。

 にもかかわらず、(おそらくは確信犯で)冒頭のような意見を、その矛盾を論破することなく無批判にいちいち報道する報道機関に、私はどうしようもない絶望感を禁じえない。
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コメント

混合診療を認める

保険支出が増える

保険財政が圧迫される

財政健全化のために自己負担分が増加する

貧乏人は・・・

  • 2007/11/10(土) 21:53:02 |
  • URL |
  • Miles的・・・ #-
  • [ 編集]

>Miles的……さん

 混合診療を認める→保険支出が増える、のところに論理飛躍が認められます。

 混合診療を認めた場合の保険支出へのインパクトは、?従来全額自由診療を選択していた富裕層の保険適用分の支出が増加する?従来保険診療のみを選択していた所得層の一部が、保険診療から自由診療に移行することにより、保険支出が減少するという2点になると考えられます。
 ここで、保険支出全体に占めるウェイトを考慮すれば、前者に対して後者の方が大きいと考えられ、結果保険支出は減少する蓋然性が高いと考えるのが合理的と言えます。

  • 2007/11/10(土) 23:32:54 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

なぜ?<?に?

保険適用診療とは、通常必要な(最低限の)治療であり、混合診療が認められれば、それらにプラスして自由診療を受け易くなる、というイメージがあります。
よって、混合診療が認められれば自由診療にチャレンジする患者は間違いなく増加するでしょう。
しかしそのうち通常分を削ってまで、予算内で自由診療にチャレンジするリスクラヴァー達が、果たして如何ほどいるのでしょうか・・・?

  • 2007/11/11(日) 10:40:21 |
  • URL |
  • Miles的… #-
  • [ 編集]

自由診療部分の性質の認識に相違があるようですね。
私が想定しているのは、ひとつの症状に複数の治療薬があり、うち有効性の高い方が保険適用外と言うケースです。
この場合、両者を飲む必要はなくどちらかだけを飲めば良いので、後者を飲む人が増えれば保険負担は減りますよね。

次にMiles的…さんの想定するパターンの場合、混合診療の追加の有無に関わらず保険診療の利用額は変化しません(自費負担部分のみが増減)。
したがって、この場合保険支出は埋没原価となります。
そうすると、最初の議論に戻り、すでに全額自己負担で自由診療を受けている富裕層に対する保険支出の復活による支出増と、既存の保険診療が自由診療に代替される事による支出減の絶対額の差の問題となるわけです。

なんだかファイナンス理論みたいな雰囲気になってきましたね(笑)

  • 2007/11/11(日) 13:08:49 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

せっかくなのでもう少しだけ続けましょうか(笑)

つまり、T.F.さんが
『すでに全額自己負担で~の復活による支出増』
よりも
『既存の保険診療が~による支出減』
のほうが絶対額が大きいと考えられている、その根拠は?
私は新規混合診療参加者のうちの大部分が+α組で、代替組は少数なイメージを(勝手に)抱いてます。
おそらくテレヴィで見たこの裁判の原告が+αの方だった(気がする)からだと思いますが。
・・・てかイメージって、根拠弱っw

  • 2007/11/11(日) 15:47:33 |
  • URL |
  • Miles的… #-
  • [ 編集]

 正確な議論のためには、自由診療の売り上げ実績の数値データと潜在需要のデータ、売上高ベースでの代替型自由診療と+α型自由診療の需要規模のデータが取れないといけませんね。

 残念ながらそんなデータは持っていないので、推定となりますが、現行の自由診療の負担の重さはとてつもなく重いので、よほどの富裕層でなければ受診しないでしょう。
 これに対して、自由診療需要は海外で治療実績のある有効性の確認されたものがほとんどであるため、有効である以上はそのような診療が利用可能であれば従来の保険診療は不要となると考えられます。現状、そうした代替性の自由診療にも従来の保険診療が併用されるのは、医学的な必要性よりも、経営戦略上の理由に基づくのではないでしょうか。
 以上からすると、保険診療部分の支払い復活効果は現状に対して限定的であり、代替性自由診療の保険診療削減効果の方が大きいと考えるのが妥当だと思います。

  • 2007/11/11(日) 20:48:12 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
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