趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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クラリネット

 今月も蓄音機の会にお邪魔してきた。

 今回は、モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏である。

 カップリングされることの多いこの二曲だが、曲の性格はまさに好対照をなしているように思われる。

 モーツァルトのクラリネット五重奏は、彼のお気に入りの楽器だったクラリネットの人の歌声に近い音色を愛でつつ、そこに楽園を逍遙するような喜びの歌を乗せた、極めてディライトフルな一曲であると私には感じられる。

 これに対してブラームスのクラリネット五重奏は、クラリネットの表現力に、悲しみの歌、あるいは諦めの歌を託しているように感じられる。

 以前も書いたことがあると思うが、私はブラームスの音楽に、手の届かぬものへの憧れと、手に入らぬことへの諦念を強く感じる。これに対して、モーツァルトの音楽には、およそ音楽で表現しうるすべてが重層的に感じられる。

 したがって、ブラームスの歌はある種の嘆き節的なトーンを聴きとってしまう一方、モーツァルトの歌に流れる悲しみは、彼の歌が音楽の表現するあらゆるものを含むゆえ、当然重要成分の一つとして含まれているもの、という印象を感じるのである。

 今回聴かせていただいた演奏は、モーツァルトのほうは少々淡々としすぎているきらいがあり、また節回しに妙な癖が感じられたが、ブラームスのほうはブッシュ四重奏団の豊かな表現力が私の考えるブームスの本質を豊かに表現していて、非常に素晴らしい演奏であった。
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コメント

普段はウラッハのCDを聞いていたので、ケルのクラリネットは表現に一貫性がなく、場当たり的な印象でした。
片面の短いSPレコードという制限があったからか、モーツァルトの方は特に落ち着きのないあくせくした感じでした。しかし、ブラームスはブッシュ・カルテットに支えられていい演奏でしたね。

  • 2007/11/12(月) 17:22:52 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

そう、場当たり的と言うのは言い得て妙ですね。まさにそんな感じでした。

それにしてもブッシュカルテットは良かったですね。

  • 2007/11/12(月) 23:19:57 |
  • URL |
  • Tiberius+Felix #-
  • [ 編集]

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