趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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監督ばんざい、あるいはたけしの8・1/2

 例によって年末年始は映画をたっぷりと鑑賞した。

 まずは、ようやく観ることができた北野武監督の「監督・ばんざい」の話から。

 映画監督が次回作をどうするか思い悩む映画、と言うと、真っ先に思い浮かぶのはフェリーニの8・1/2であろう。

 この映画の話を聞いた時、私もきっと8・1/2のような映画なのでは、と思って、興味を持っていた。ところが実際に見てみると、良い意味で予想を裏切る一方、これまた良い意味で予想通りの作品だったのである。

 フェリーニは、自分をモデルにしたという、次回作をどうするか思い悩む映画監督を主人公に、彼の妄想への逃避を映画に描くことで彼のキャリアの中で-そして、映画史の中でも-エポックメイキングな作品を世に送り出したのであるが、北野武の場合は、「次々と浮上しては消えゆく新作のアイディアそのもの」を、「ポシャる過程も含めて」次々に映像化して見せるという手法で、彼の脳内世界を描いているのである。

 このような手法を元に、彼ならではのギャグセンスを生かしたコメディタッチの映画が出来上がっていた。
 しかし、手法の差こそあれ、脳内世界を堂々と映画に描ききるという点では、やはり8・1/2に共通する。

 それまでネオ・レアリズモ系のシリアスなドラマを撮っていたフェリーニが「甘い生活」での大胆な方向転換を経て生み出したこの作品以降、フェリーニの個性が一気に開花したように、従来のヴァイオレンス映画からの方向転換を作品冒頭で宣言したこの作品以降、本当の意味での北野武の個性が一気に開花するかもしれない、と感じさせる作品であった。
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