趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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あさき夢見し

 昨年、日本有数の美しい映像の描き手だった実相寺昭雄監督が亡くなった。
 実相寺監督を私が知ったきっかけは、幼い頃レンタルヴィデオで鑑賞したウルトラセブンだった。「狙われた町」や、「第四惑星の悪夢」の独特の陰影と映像センスーそのすごさを実感するのはもう少し成長して見直してからのことではあったが、それでも幼いなりに大変心惹かれたものだった。

 ウルトラシリーズで経験をつんだのちは、活躍のフィールドを映画に移し、一部ではカルト的な人気を誇っていたのだが、その監督が亡くなったと聞いて、私はまだ見たことがなかった彼の映画作品をじっくり鑑賞しなければ、と強く思ったものである。

 とりあえずはレンタルで簡単に見ることのできた、最晩年の「姑獲鳥の夏」を鑑賞する。
 独特の映像感覚は円熟の域に達し、大変素晴らしいものではあったのだが、やはりあの陰影はデジタルのCGよりもアナログフィルムの色彩感で味わいたいものである。

 そんなわけで、1974年の作品「あさき夢見し」のDVDを購入。
 
 舞台は鎌倉時代末期の朝廷である。
 どこか「山猫」に通じる、ある種の滅びの美学に包まれた王朝の世界が、実相寺監督ならではの陰影豊かな映像で実に美しく描かれていく。
 「とはずがたり」に題材をとったストーリーは、源氏物語をはじめ古典王朝文学へのオマージュと鎌倉時代ならではのある種の厭世的空気にみち、これまたなかなかに味わい深い。

 実相寺監督の映像美が、最もいかんなく発揮された作品ではないかと私は考える。
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