趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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多神教時代の永遠の都~迷宮的旅行記第7章(5)

 アラ・パチスは前回訪問時は何やら大がかりな修復工事をしていて見ることができなかったのだが、今回はまわりを建物で覆われ(ローマでは見かけない、超現代的な建築である)、温度や湿度をおそらくコントロールしながら保存を図っているのだろう。

 「ローマ人の物語」に詳細に述べられていた、アウグストゥスが主催した平和の祭典のリリーフが素晴らしい。何と言うか、彫刻から我こそはこの世界を平和にまとめ上げたのだという、自信とも自負ともつかぬ非常に強力な主張が感じられるのだ。長年風雨にさらされて表面が浸食され、西日でも当たったのか、立方体の祭壇のある面などは、人物の彫刻が磨滅してのっぺらぼうのようになってしまっているにもかかわらず、その力強い主張は、今なお伝わってくるのである。

 外に出ると、例の近代建築の外壁に「神君アウグストゥスの業績録」が記されていた。もしかしたら全文書いてあるのかもしれないが、辞書を引き引き全部読むだけの時間がないのが残念である。もっとも、当時の碑文ではなく単に現代建築の壁に印刷してあるだけなので、その価値もないと言えばその通りなのだが。

 アラ・パチスの隣のアウグストゥス霊廟が、今度は大々的な修復工事に入ったようだ。前回は首まで埋まっていたのを、周りの土砂を掘り返して全体をよみがえらせているようである。これの修復工事が終わるころに、もう一度見に来るとしよう。

 バスを乗り継いでヴェネツィア広場からカンピドリオ広場に向かい、カピトリーノ美術館でマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の騎馬像を鑑賞する。本物は広場のレプリカとは比べ物にならない素晴らしい出来であった。

 しかし、この博物館の迷宮のような構造の複雑さには辟易する。一体何度、同じ部屋を通ったことか……!

 ここの屋上のカフェテリアで遅い昼食を取ったのだが、母がまた何かで読んだとかで、どうしてもここのカフェテリアで食事したいと言うので、正直気は進まなかったのだが、まあ仕方あるまい。いかにもカフェテリアな味わいのサラダとぬるいビールで腹を満たし、フォロ・ロマーノへ向かう。

 フォロ・ロマーノは何度見てもいいものだ。共和政末期の、カエサルの時代が、とても近いものに感じられる。あちこちに残された碑文を読んで日本語に訳してみせると、母は非常に喜んでくれた。

 ついで、コロッセオを訪ね、母の行きたいところはおおむね行きつくした。余った時間でトレヴィの泉とサンタ・マリア・マッジョーレ教会を訪ね、テルミニ駅で荷物を引き取って、ナポリへ向かう。(続く)
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