趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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続・AD HOC OPTIMVS EST~迷宮的旅行記第7章(7)

 青の洞窟に入るのは天気次第というのは有名であるが、まさか天気だけでなく潮の満ち引きまで関係しているとは想定していなかった。こればっかりは、月の満ち欠けのリズムによるので、待っていても仕方がない。

 というわけで、「とにかく行きたいところを少しでもたくさん、ピンポイントに絞って数多く回る」と言う母の意向に沿い、急遽本土を目指した。私と違って、別に古代ローママニアというわけでもない母に、カプリ島本土は興味をひかない場所らしい。

 Ad hocというのは、「その場で」という意味であるが、「そのつど」とか「臨機応変に」とか言った意味にもなるフレーズで、Ad hoc optims estというのは「臨機応変が一番」と言うところの意味合いであるが、ここへきてまさにそのような状況になった(苦笑)。

 素早く時間を計算して、ポンペイに行く前に市内を寄り道できるなと判断し、カプリから戻った港のすぐ近くの卵城に上り、「ナポリを見て死ね」と呼ばれたその景色を眺めて、タクシー乗り場に移り、サンセヴェストロ礼拝堂を目指す。

 途中、前回駅前の屋台で食べてそのすがすがしい味わいに感激していたレモンのグラニー他の屋台が、卵城前の交差点のところに出ていたので、迷わず購入。レモンのキリッとした酸味が、ナポリの厚さに何とも心地よい。天然果汁と砂糖で味付けてあるので、自然な味わいだ。日本でもこれは売れるのではないかと思うのだが、はてさて。

 サン・セヴェストロ礼拝堂に行く道すがら乗ったタクシーの「ナポリ式」運転術たるやそれはもう魔法のようで(笑)、例によって団子状に車間距離50センチで時速50キロをたたき出す。母は完全にひきつっていたが、これがナポリのタクシーの真骨頂なのだ。さらにすごかったのが……

 礼拝堂に向かう道は狭い一方通行の道で、しばらく行くと突然小路で通行止めとなっていた。
 これは運転手氏にも予想外だったと見えて、こちらを振り向き、 "Mamma mia!"とひとことためいきをつくと、そのままギアをバックに入れて、来る時とほぼ同じスピードで(!)バックで道を戻り、う回路へ抜けて言ったのである。うむむ、世界一運転がうまいのはナポリのタクシー運転手に違いない。

 そんなこんなでたどり着いたサン・セヴェストロ礼拝堂は、知る人ぞ知る奇跡の彫刻作品、「ヴェールに包まれたキリスト」がある教会である。


 (画像)

 ECCE HOMO(この人を見よ)!!

 これは、十字架から下ろされ、聖骸布にくるまれて葬られたキリストの姿であるのだが、大理石を掘って、ヴェールの繊細な日だ、そしてその下に透けるキリストの顔を、ここまで微細に彫刻で表現してしまうとは……!彫刻を見て、ここまで度肝を抜かれたことはない。これこそ、ツアーでは絶対に行くことのできない、個人ならではのスポットであろう。

 ここは私がガイドブックで見つけて、是非とも行ってみたかったところだったのだが、これには母も大満足であった。

 今日も昼食を犠牲にし(苦笑)、中央駅からチルクムヴェスヴィアーナ線に乗り換えてポンペイへ向かう。例によって母は私のような古代ローマファンではないので、名高い秘儀荘、娼婦の家、悲劇詩人の家など数か所の見どころをピンポイントで時間の許す限りに回り、ナポリにとんぼ返りして、今度は乗り遅れずにフィレンツェへと向かった(続く)。
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コメント

こんにちは。
旅日記楽しく読ませて頂いています。

>「ヴェールに包まれたキリスト」
これは素晴らしい作品ですね!
一応イタリア美術史をかじった私も、この作品は初見です。
まだ見ぬナポリへの憧れがますます募りそうです。
ピッツァ・マルゲリータもレモンのグラニータも本場でいただきたいですし…

  • 2008/07/30(水) 17:10:41 |
  • URL |
  • なつ #3ItBdoaY
  • [ 編集]

>なつさん

そうなんです。
これを見るためだけにも、ナポリに行って損はないと思います。

ガラの悪いのが、玉に瑕ですが……

でも、次にイタリアへ行く時は、ナポリに2,3日滞在したいなと思います。

  • 2008/08/01(金) 01:29:38 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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