趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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男の身勝手、あるいはありふれた苦味~”The girl I left behind"

 アンディ・アーヴァインのオリジナル曲だが、"The girl I left behind"という、どことなく哀愁の漂うほろ苦いテイストの歌がある。

 村一番の美少女と付き合っていた主人公は、職を求めてアイルランドを去り、グラスゴーに移住する決心をする。いつか自分を迎えに戻ってくる日を待っている、という恋人を残して。

 グラスゴーには職と金があふれていたが、それは片っ端からウィスキーになって流れて行ってしまった。女たちはとても優しかったが、それでも置いてきた恋人がいつも心の中にいた。

 しかし、その恋人が別の男と結婚したという知らせが主人公のもとに届く。
 それが事実だと知った彼は、何をすればよいか分からなくなり、世界を放浪する旅に出る。

 ニューヨークで金持ちのペギー・ウォーカーが主人公と恋に落ち、彼はそこにとどまる決意をする。
 ある日彼女から結婚を迫られた彼は、一瞬ためらい、もし君と結婚したら、君の親戚や友達が俺を馬鹿にするだろうし、アイルランドに残してきた両親にも一目会っておきたいし、何よりも残してきた彼女に一言最後のお別れを言いたい……などという。

 これを聞いたペギーは怒り、そういうことならもう私たちは終わり、私と結婚するか、出ていくか、どちらかよ、と最後通牒を出す。主人公は、結婚を選ぶ。「他に何ができただろう(”Oh,what else could I do?") 」と。

 最後に主人公はつぶやく。おれの女主人ペギーはやさしいし、かわいい。……でも、残してきたあの子が、いつまでも心の中にいる。

 ……ありふれた、実にありふれた、男の身勝手と、そしてありふれた妥協の物語である。
 しかし、アンディの歌の力なのか、妙に心にしみこんでくるのは、不思議なものだ。
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