趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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御本人登場(2)……ディアベッリ

 ベートーヴェンの技巧をこらしたフォルテピアノ独奏のための変奏曲、「ディアベッリ変奏曲」は、ギタリスト・音楽教師として当時名高かったディアベッリが、「当代一流の作曲家の変装を集めて一つの変奏曲を作る」という企画を立て、自作の主題をサリエリやフランツ・クサーヴァー・モーツァルト(アマデウスの息子)など、当時の有名作曲家に一節ずつ変奏の作曲を依頼したのをきっかけに作曲された作品である。

 プライドの高いベートーヴェンは、他の作曲家の作品といっしょくたにされるのを嫌ったらしく、結局この企画には乗らなかったのだが、しばらくしてから「どうだ、そこいらの作曲家とはまるで違う俺の作品を聴け!!」とばかりに、ディアベッリの主題から32の変奏曲を書き上げ、名曲「ディアベッリ変奏曲」が誕生した。

 ……という、音楽史的な知識しか知らなかったディアベッリの作曲した、フォルテピアノとギターのためのデュオのCDを手に入れた。

 ディアベッリ変奏曲の、あのディアベッリのテーマはなかなかに心楽しいエンターテインメントピースだと思っていたが(それをあのような重々しい眉間にしわの寄った変奏曲に仕上げきってしまうのがいかにもベートーヴェンらしい;笑)、彼の作品も予想にたがわず、大変心楽しいサロンピースであった。特に、古典派時代の使用の胴の少し小さいクラシカルギターのポロポロ、パキパキした繊細な響きと、フォルテピアノのことこと、ぽつぽつした響きが非常に相性が良く、あたかもウィーンのさっくりしたクロワッサン(フランスのイメージが強いが、実はウィーン発症のパンなのだ!)のような味わいである。

 言ってみればベートーヴェンのディアベッリ変奏曲はグーラッシュやリーバークヌーデルのようなディナー向けの重たいメニューで、ディアベッリの作品はクロワッサンのような朝食向けのメニューとでもいったところだろう。

 ディアベッリ御本人の作品は、なかなかに素敵であった。
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