離婚するために新しい宗教まで作ってしまったイギリス王ヘンリー8世が、わざわざ新しい宗教を作ってまで前妻を離婚し、結婚したのがアン・ブーリン(エリザベス1世の生母でもある)であるが、このアン・ブーリンを主人公に据えた歴史劇である。
実に見ごたえのある映画であった。
この映画には、およそ考えられる限りの人間の業というものがこれでもかと描かれている。
アンとメアリのブーリン姉妹の、王の寵愛をめぐる確執や、前妻キャサリン・オヴ・アラゴンとの女の闘い、一人の女だけを愛することができず、飽きた女の命さえ奪いながら次々に相手を変えるヘンリー8世、王の権力に吸い寄せられ、自らも栄達を望んで王に近づくブーリン家一族の栄光と破滅……。
女の業、男の業、権力の業、人間の業、ありとあらゆる業のカタログともいうべき人間模様を、冷徹に描ききったこの作品は、映画史上に残る傑作と私は思う。
DVDが出たら、迷わず買いである(笑)
