趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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カーザ・ヴィニタリア

 ここのところ、残業続きで夕食がコンビニサラダとか牛乳とか、大変貧しくわびしい食生活が続いていたことの反動か、週末になるとここぞとばかりに食べ歩きの予定を入れてしまう。やはり、人間、良いものを食べていないと良く生きることはできないものだ。

 というわけで、昨日のカラブリア料理に続いて、今回は麻布の人気店、カーザ・ヴィニタリアに行ってきた。

 ここは名高いアロマ・フレスカが運営する店で、ワイン店の併設ということから価格がだいぶリーズナブルに抑えられていて、非常に予約の取りづらい店として有名だそうである。今回、たまたま知人が予約してあったのが、人数が不足し、お声がかかったのでうかがうことにしたわけである。

 こちらのお店は、伝統的なイタリア料理ではなく、イタリア料理の精神を生かした創作イタリアンのような料理を供するお店である。そのためか、プリフィクスコースになっている料理の組み立ても、アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、コントルニ、ドルチェという伝統的な組み立てではなく、かなり懐石料理の影響を感じさせる独自の組み立てになっている。

 まずはスプマンテで乾杯し、名物の旬の野菜のバーニャ・カウダで始まった。
 新鮮な季節の野菜を、アンチョビとオリーヴオイルの温かいソースで味わうのだが、オリジナルのゴルゴンゾーラソースと二種類のソースが味わえ、楽しい。

 続いて、暖かい前菜として、いくつかの候補が示される中から、うなぎの燻製を選んだ。イタリアンのうなぎは初体験であったが、香ばしくいぶされたうなぎはなかなか美味であった。

 次に、名物料理のひとつである、蟹のリゾットが供された。こちらは、絶妙の火加減で半生に仕上げられた蟹の脚の肉がたっぷりと入っていて、蟹のだしの利いたアルデンテのリゾットを味わうものであるのだが、しっとりとジューシーな蟹の脚肉のぷりぷりとした食感に甘みが良く引き出されていて、この食感とアル・デンテの米との食感の対比も鮮やかで、まさに絶品であった。

 続いて、牛ほほ肉の赤ワイン煮。ネッビオーロ種と思われる赤ワインで煮てあるとみえ、グラスで注文したピエモンテのネッビオーロを使った赤ワインと最高の相性であった。

 コントルノとして、ほうれん草のココット焼きが登場。これは、イタリアでもよくある料理で、肉のコクをしっかりと受け止めつつ、あっさりとした味わいで口をさっぱりとさせてくれる。

 通常であればこのあとはドルチェだが、ここでもう一度スパゲッティが登場する。アッラビアータを選んだのだが、トマトの酸味とマイルドな辛味のバランスが良かったのは確かだが、しかしセコンドを取った後にもう一度パスタというのも、少々重すぎてもてあましたのは正直なところである。

 思うに、日本人にはどうしても最後を炭水化物で締めたいという傾向を持つ人が一定以上の割合で存在するようであるが、このお店ではそういう需要を重視しているのであろう。……私には不要だが。

 パスタをなんとかこなした後に、ドルチェが登場する。
 私はイチゴのソルベを選択し、あっさりと味わったのだが、このソルベはイチゴの味が凝縮されていて、パスタの追撃でもたれる胃にもおいしかった。

 確かに料理の水準は大変素晴らしいし、ワインも充実していて、申し分ない店であることは間違いない。

 ……しかし、締めのパスタは蛇足ではあるまいか。
 やはり、伝統の中で培われてきたアンティパスト、プリモ、セコンド、コントルニ、ドルチェという枠組みは完成されたものであって、そこはいじらない方がいいのではないか、と、どうしても思ってしまう。
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