趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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やはりオーソドックスは素晴らしい~迷宮的旅行記第8章(13)

 実を言うと私は、「衣装をつけろ」をパヴァロッティの名唱で楽しんではいるものの、全編通しで「道化師」を鑑賞するのは、録音を含めてもこれが初めてであった。

 しかし、演出は巨匠ゼフィレッリで、オーソドックスなところを外さず、どこかフェリーニの「道」を思い出させるような古典的な旅芸人の物語として正攻法で、また彼らしい絢爛豪華な人海戦術(笑)で、たっぷりと楽しませてくれた。

 ワーグナーやヴェルディならともかく、やはりこういうオペラは奇をてらわずオーソドックスな演出がいいと思う。数年前にフェッラーラでパーセルの「ディドーとエネアス」を、無残にもズタズタに切り裂くような演出で台無しにした舞台、否、舞台のバラバラ死体とでもいうべきものを見せられていただけに、このゼフィレッリの演出の素晴らしさは一層輝きを増すというものである。

 切り取られたアリアとしてではなく、物語の核心として歌われる「衣装をつけろ」は、実に迫真の歌唱で、なるほどここだけ切りだして聞いたのではわからない真髄はこういうものであったか、と実感できた。

 約1時間半の短い作品だが、その短さが凝縮感に満ちていて、無理にカヴァレリア・ルスティカーナと二本立てにしなくても十分に満足できたと私は思った。

 17時に開演のオペラがはねたのは、それゆえなお空は青々と明るい19時。
 いったんホテルに戻り、夕食を取りに出かけた。

 どうもあまり遠くに出る気になれなかったので、近場で済まそうと、地球の歩き方に紹介されている店で、日本語メニューのないところ(笑)を探して、クィリナーレの丘のふもとのトラットリアへ行ってみた。

 本当なら、イタリア語のメニューしかないところに行けば絶対にうまいものがあるのだが、イタリア最大の観光都市ローマでは、さすがにイタリア語メニューしかない店を探すのは難しい。
 
 ……ところが、残念ながらこの店は日本人目当てに日本語メニューを置く代わりに英米人目当てに英語メニューを置いているタイプの店だったのである。

 ……というわけで、この店で一番おいしかったメニューはサラミの盛り合わせとパルミジャーノレッジャーノという次第であった。まぁ、モンテプルチアーノ・ダルブッツォのなかなか美味い赤を比較的安く味わえたからよしとしよう。

 ワインをほぼ一本空けてだいぶ酔いのまわった私はホテルに戻り、歯を磨いてシャワーを浴びたのだが、風呂の床で足を滑らせ、石造りの固い床に思いっきり尻餅をついてしまった。日本家屋のプラスチックのユニットバスで尻餅をつくのとはわけが違う。すさまじい硬さである。数十秒ほどは痛みで動けなかったくらいだった。

 痛みが残らなければよいが、と思いながら私は眠りに就いた。(続く)
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