趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あなたは硬派、それとも軟派?

 といっても水の話である。
 最近コンビニやスーパーに並ぶミネラルウォーターの種類が格段に増えているようで、今まであまり見たことのない銘柄の水を口にする機会が増えた。
 で、目新しいものをいろいろと飲み比べてみると、ただの水でもその味わいの幅広さに改めて感心する。

 で、表題の件である。
 ミネラルウォーターの味の手がかりとなる指標に硬度というものがあるのだが、この硬度という指標は水の中にどのくらいのカルシウムとマグネシウムが溶けているかを示すものだそうで、この硬度が高ければ苦味が強くコクのある味わいで、逆に硬度が低ければ苦味は弱くあっさりとした味わいになる。硬度の高い水が硬水、低い水が軟水である。

 日本で飲まれている水はほとんどが軟水で、普通「水」と言って思い浮かべる味はこの軟水のものと言って間違いない。逆にヨーロッパでは硬水が主流だそうである。

 この硬水と言うやつはなかなか厄介なもので、のどが渇いているときに飲んでもその強烈な味わいに圧倒され、まったくのどの渇きが癒えた感触がない。ところがヨーロッパを旅行すると売っている水はほぼ例外なくこの硬水で、昔夏にローマに行ったとき、共和制ローマ時代に町中に張り巡らせたアッピア水道が現在も機能していて、町中あちこちに水源から湧き出したそのままの清水が24時間常に流れていてこれを自由に飲むことができる(そのまま飲んでも安全)のだが、この水もまた硬水で、炎天下を歩き回ってのどが渇くたびにそれを飲んでも一向にのどが潤う手ごたえが感じられずに辟易したのを覚えている。

 ところが食事となるとこの硬水、人が変わったように生き生きと活躍してくれる。イタリア料理にせよフランス料理にせよ、ワインを一緒に飲まないのではその真価を味わえないようにできているもので、せっかく本場に来たのだからと毎晩地元の料理を口にすると必然的に毎晩ワインを飲むことになる。しかし、残念なことに好きな割に大して酒豪でもない私は連続ワインは3日くらいが限界で、どうしても休みが欲しくなってしまう。そんな時、ワインの代わりにこの硬水を飲むと―特にサンペレグリーノなどの炭酸入りの硬水だとなおさら―、水とは思えない苦味とコクがしっかりと料理の味を受け止めてくれるので、休肝日でも物足りなさを感じずに地元料理を味わえるのである。だからと言うわけでもないのだろうが、イタリアでレストランに入るとワインと一緒にサンペレグリーノを飲んでいる人がほぼ100%に近い割合で存在する。

 しかし日本に帰ってくると、この硬水と言うやつは、イタリア式にサンペレグリーノを用意しているイタリアンレストランにでも行かない限り飲もうと言う気がまったく起こらないものである。やはり日本では、水はのどの渇きを癒すためのものなのだ。六甲にせよ南アルプスにせよ、或いは洋物でもヴォルヴィック、クリスタルガイザーなど、定着している水はほとんどすべて軟水だ。硬水ばかりのフランスでヴォルヴィックを売っているのを見つけたときの喜びと言ったらなかった。

 最近のお気に入りはアクアクイーンと言うオーストラリアの軟水で、極端に硬度が低い蒸留水に近いような水である。硬度の低い水は不思議なものでほのかな甘みが感じられるものだが、この水はその極端な硬度の低さによって大変に強い甘味が感じられるのである。英語で淡水を "sweet"waterと言うのを心から納得する味である。

 やはり私は、本場並みに強い味付けのイタリアンレストランと言うきわめて限られたシチュエーションを除いて、軟水がすきなのだ。軟派な人間なものでして。
スポンサーサイト

コメント

こんばんは。
TBさせていただいたので、よろしくお願い致します。
http://natsu.at.webry.info/200511/article_9.html

  • 2005/11/07(月) 23:37:54 |
  • URL |
  • なつ #3ItBdoaY
  • [ 編集]

TBありがとうございます。

初TBです!
ありがとうございます。

  • 2005/11/08(火) 00:06:24 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

 西洋料理と炭酸水は合いますね。油っぽい食べ過ぎた時など、飲み過ぎた時、口の中がすっきりします。
 水に限らず、もともと人は半径2キロ位のものを食べていればよかったという話しがあります。今ではそれが逆に贅沢になりましたが…

  • 2005/11/10(木) 15:53:28 |
  • URL |
  • gramophon #mQop/nM.
  • [ 編集]

gramophonさん、こんばんは。

 良質の食べ物が半径二キロで手に入る環境で、そこで取れる食材だけで作った料理に飲み物、とは、今の世の中最高の贅沢ですね。

 今の日本でそういう贅沢ができる場所はどのくらいあるのでしょう。

  • 2005/11/10(木) 23:32:03 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tiberiifelicis.blog10.fc2.com/tb.php/58-c3365a6b
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。