趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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至高のイタリアン、サローネ@元町中華街

 予約の取れない名店として名高い横浜のイタリアンの名店、サローネに行く機会を得た。

 メンバーはいつもの美食仲間4人である。

 ここは、料理自体は本場の味のすばらしいイタリアンであるのだが、サーヴの方法に懐石の要素を取り入れていて、少量の皿を8つ出すという独特のスタイルをとっている店である。

 まずは食前酒に、セグレタ・ロザという、薔薇のリキュールをスプマンテで割ったカクテルで乾杯。
 バラの香りがかぐわしく、大変に美味である。

 一皿目の山形牛のスピエディーノが供される。
 薄切りの山形牛で、白トリュフ風味をつけたチーズを巻いたもので、非常にテンションが上がる。

 ここで一本目のワインを注文。

 マルヴァジアを主体としたヴェネトの白で、マルヴァジアらしい華やかな香りが実にすばらしい。

 2皿目のスズキの塩締めをポレンタに重ねた料理が、またこの白ワインに抜群の相性である。

 3皿目は、鮮魚のヴァポーレ。当日仕入れた魚をスープに仕立てた一皿である。
 今日の魚は石垣鯛と言う白身魚で、もっちりした皮のコラーゲン風味が実に美味である。そこにハマグリとネギが加わり、絶品のスープが出来上がる。その上にたらされたオレンジの皮とオリーヴを一緒に絞ったオレンジオイルが実にさわやかな香りで、立体感のある、一流の味わいであった。

 4皿目に、ミルクを使って打った手打ちパスタのトレネッテ(リングイネよりちょっと太いロングパスタ)が出てくる。これは塩釜で焼き上げたリグーリアの赤玉ねぎと、シチリア産のアンチョビで味つけられていて、実に滋味豊か。ミルクで練ったことで柔らかみが出て、ミルクの甘みが優しく心地よい。

 次の5皿目が、赤エビのサルティンボッカ。通常生ハムをチーズで焼いた料理をサルティンボッカと呼ぶのだが、この料理はその生ハムとチーズを赤エビに巻きつけたものである。エビのうまみ、ハムのうまみ、チーズのうまみが溶け合い、白ワインとの相性も抜群である。頭の中のミソがまた素晴らしい。

 ここでワインを赤に変える。
 お店のお勧めの、エミリア・ロマーニャ産のアマローネである。
 アマローネと言えばヴェネトのイメージだが、このエミリア・ロマーニャのアマローネは、アマローネらしい深みのある香りを持ちながら、それでいて味わいは非常に軽やかという貴重な一本である。

 お次の料理は、フォアグラのクッキアイオ。クッキアイオというのはイタリア語でスプーンのことである。一口大のフォアグラを温め、香味野菜とともに一口で味わう料理で、この一口の濃厚な味わいとアマローネの濃厚な香りが最高の相性である。

 次に出てきたのは、北海道産小鹿のラグーを詰めたラヴィオローネである。ミントと柿、香ばしく炒ったクルミが乗せてあり、小鹿のなめらかな舌触りがラヴィオローネのしっとりとした舌触りと溶け合い、小鹿のジビエらしい味わいにカキの甘みとミントのさわやかな香り、クルミの香ばしさが組み合わさって対位法的な味覚世界を繰り広げる。

 料理の締めは、馬フィレ肉のインパナータ(パン粉焼き)である。
 これまた馬肉の豊かなコクを引き出し、絶品。

 ドルチェかチーズの選択だったので、チーズを選択。
 水牛のミルクでハードチーズを作った、非常に珍しいクレモーゾ・ディ・ブッファラという逸品が、実に豊かなコクで、非常に美味であった。出来立てでないと実力を味わいきれないモッツァレッラ・ディ・ブッファラは輸入すると残念な結果になりがちだが、これならじっくり熟成させたものであるので、日本に空輸しても全く味が落ちる心配はない。

 最後にエスプレッソ・ドッピオでこの夢のようなチェーナは幕を閉じた。

 ここは本当に素晴らしい店である。
 広尾のインカントと並ぶ、2大ベストイタリアンだ。
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