趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ヨハン・カスパル・フェルディナンド・フィッシャー

 私のようなマニアックな人間と言うのは一を知ると十に興味を持つ種類の人間である。マニアックな人間に物を売ろうと思ったら、彼の興味を引くものをちらりと一見せすればよい。後は彼が勝手に関係するあらゆる物を買いあさってくれるのだ。資本主義社会の救世主のような人種である。きっと日本人が全員マニアックだったら、あと10年は早く景気が回復していただろう。

 ヨハン・カスパル・フェルディナンド・フィッシャーという作曲家も、そんな”ちらりと一見せ”によって私をまんまとはまらせた作曲家である。この作曲家のパッサカリアという作品について8/15の記事に取り上げたが、私のフィッシャー買いあさりはこの一曲の一見せから始まった。

 そもそものきっかけは、バッハのイタリア協奏曲のCDが欲しくて買ったトレヴァー・ピノックと言うチェンバリストの演奏によるチェンバロ名曲集のCDで、お目当てのイタリア協奏曲の前座的扱いでこのパッサカリアが収録されていた。ところがこのパッサカリアを一聴するなり私は、あの名曲イタリア協奏曲がおまけに見えてくるほどこの曲の魅力に取り付かれてしまったのだった。

 いい曲と思うとその曲の作曲当時の状況だの何だのと付帯情報を知りたくなるのがマニアの習性と言うものである。ブックレットを読むとチェンバロ組曲集『音楽のパルナッスス』の中の『ウラニア組曲』の終曲、とそっけない解説があるだけであった。このような情報の少なさは私のマニア心にめらめらと火をつけ、まずはぜひとも『ウラニア組曲』全体を聴いてみたい、と思うようになった。

 ようやく『ウラニア組曲』全体を収録したCDを見つけたのは、CDを探し始めて1年以上たった頃だった。ウラニアの全体像を把握してしばらくはご満悦だったのだが、しかししばらくするとまたマニア心が燃え上がる。ウラニアだけではなく、音楽のパルナッスス全曲を聴きたい!またCD探しが始まった。

 そしてウラニア組曲全曲盤を入手してからさらに1年と数ヵ月後、ようやく音楽のパルナッスス全曲を録音したCDが発売された。当然のように購入し、またしばらくはご満悦だったのだが、やがてまたマニア心は燃え上がる。音楽のパルナッスス以外のフィッシャーの作品も聴いてみたい。

 比較的容易に見つかったのが、オルガン作品集『アリアドネ・ムジカ』であった。これもまたなかなかの名作で、音楽史上の価値としてはパルナッススより上を行くとされている作品である。しかし、ここで止まってしまった。フィッシャーは音楽史上は鍵盤音楽作品の大家とされているため、演奏家やレコード会社の興味も鍵盤音楽に集中しており、その結果録音は鍵盤音楽ばかりなのである。

 こういう状況ほどマニア心をくすぐるものはない。行き着くところはご想像の通り。フィッシャーの鍵盤楽器以外の作品が聴きたい!これである。

 そしてつい最近、ようやくこの渇望を癒してくれるCDを入手した。これはフィッシャーと言う作曲家の全体像を概括的に把握で切る優れたCDで、チェンバロ音楽(曲目はあのウラニアである)・オルガン音楽(曲目はあのアリアドネ・ムジカの一部である)に加え、管弦楽組曲、そしてミサ曲まで収録されていると言うおトクな一枚である。

 こうしていつ々にやら、フィッシャーの世界のかなりディープなところまで(フィッシャー自体すでにディープといえばディープなのだが)たどり着いたのである。さあ、今度はこのCDを橋頭堡に、管弦楽、声楽と言った更なる奥地に攻め込むのだ。そしていまだ入手されざる室内楽にも切り込まねばならぬ。

 こうなってくるともう、そこに山があるから、と言う登山家の心境に近いのかもしれない。そう、私はCDを買うのだ、そこにフィッシャーがあるから。
フィッシャー買いあさりの節目となったCDは下記の通り。
(タイトル、演奏者、レーベル)

「調子の良い鍛冶屋~チェンバロ名曲集」
 トレヴァー・ピノック
 アルヒーフ
 →「パッサカリア」を収録

「フィッシャー:鍵盤作品集」
 シギスムント・ランペ
 ヴァージン・ヴェリタス
 →『ウラニア』全曲を収録

「フィッシャー:音楽のパルナッスス)Vol.1~2)」
 リュク・ボーセジュール
 ナクソス
 →『音楽のパルナッスス』全曲を収録

「アリアドネ・ムジカ」
 ヴォルフガング・バウムグライツ
 クリストフォルス
 →『アリアドネ・ムジカ』全曲を収録

「ヨハン・カスパル・フェルディナンド・フィッシャー~バーデンの宮廷楽長」
 スザンネ・カイザー(チェンバロ)他
 ヘップァー・クラシックス
 →鍵盤作品に加え、管弦楽組曲、ミサ曲を収録
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コメント

趣味の迷宮 さん…。はじめまして♪
私は貴方ほどマニアックじゃなけれども、そのように嵌る趣向はあります。(笑)
さて、上記のフィッシャーには淡い思い出があって、その日は何気なく早起きしてて、おもむろにラジオのスイッチを入れてNHK-FM、朝のバロックを聴いてたら→『フィッシャー:組曲「音楽のパルナス山」 1』から 第6組曲「エウテルペ」が流れてきました。たしか終曲の「シャコンヌ」を聴いてなんてナンテ素敵な曲なんだろう…と、曲に聴き惚れて録音する事も出来なくて、唯一作曲者と曲名のエウテルペをメモするのがやっとでした。汗;
今日その十数年前の出来事を何気なく思い出したので、早速ネットで検索してみたら貴方のHPに辿り着いた訳ですよ。
前置きが長くてすみません!!

この曲です。。
<YouTube - Johann Caspar Ferdinand Fischer>より「Suite Euterpe」です。
http://jp.youtube.com/watch?v=3WteSEhjuIw

やはりフィッシャーに嵌った行き先は素人さんの演奏もコレクトするのが究極の極みだと思いませんか?
またいらぬマニア心にめらめらと火をつけましたかね…?


  • 2009/01/31(土) 15:02:56 |
  • URL |
  • xaos8 #kBU0PDh2
  • [ 編集]

>xaos8さん

 はじめまして。当HPへようこそ。

 投稿いただいたエウテルペのシャコンヌは、実は音楽のぱるなっそすの中で二番目に好きな曲だったりします♪

 なんだか、何かのエンディングテーマのような曲調で、すごく美しい曲ですよね。

 それにしても、数少ないフィッシャー仲間に巡り合えて嬉しい限りです!

  • 2009/02/02(月) 01:35:12 |
  • URL |
  • Tiberius Felix #-
  • [ 編集]

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