趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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この機械の開発者は自分でまず試したのだろうか?

 丸々一週間の博多出張から戻り、今日は定期健診で(と言っても不定期だが)歯医者に行ってきた。美食家は歯が命。

 診察の結果、毎日ぬるま湯の中で丁寧に磨き続けたおかげか、おおむね良好に保たれている、一部歯と歯の間に虫歯のなりかけがあるのでこまめに糸楊子を通して悪化させないように、と言うお言葉を頂戴し、さて無罪放免と思いきや、日頃のコーヒーと赤ワインで歯の表面が真っ黒に汚れていて、これを掃除すると言うことになった。

 以前も診察のたびに歯の汚れ取りはしていたので、まあそんなものか、あの歯磨き粉は味がどうも強烈で好きになれないな、と思っていたのだが、今回はいつものゴムのブラシを装着するでもなく、見たことのないアタッチメントを取り付けている。何が始まるのかと思い待っていたところ、準備が整ったので口をあけろ、とのご命令。やがて始まったのは……

 恐ろしく強烈な勢いでやたらに塩分濃度の濃い粉末研磨剤を歯に吹き付け、否、たたきつけるのである。その勢いたるやまるで散弾銃の銃撃のようで、歯に叩き付けられた跳弾が舌に当たっただけでちくちくと痛い。狙いをはずした流れ弾が唇の内側を誤爆したりするともう地獄絵図である。なにしろこの散弾はやたらに塩分濃度が濃いので、傷口にはもれなく塩が塗られるのだ。因幡の白兎か。ダムダム弾や劣化ウラン弾に匹敵する非人道兵器だ。口は戦場となった。それも、無差別に散弾銃を乱射する仁義なき戦いである。カタギの衆がどうなろうと知ったこっちゃない、とにかくタマ(汚れ)殺(と)れい、殺ったれいと言う阿鼻叫喚の抗争である。

 そしてあとに残ったのは、やたらに白く光る歯と、口全体にひりひりと残る熱い痛みである。

 医者は得意げに語る。『この機械だと、今までは取れなかった歯の表面のごく細い溝についた汚れも取れるんですよ!』

 だが私は言いたい。この恐るべき痛みの代償が、そんな些細な汚れの除去なのか、と。お前はそんな下らぬことのためにこれほどまでに患者を痛めつけて良心が痛まないのか、と。それ以上に私は言いたい。開発者よ、お前はこんな機械を作って多くの人間を苦しみの底に叩き落したことに良心が痛まないのか、と。

 私はもてる修辞学の限りを尽くして、しかしあくまでも物腰柔らかに、いかにこの機械が気に入らなかったかについて担当医師に演説した。するとどうやら担当医師先生は消費者あってのサービス業と言う医学の根本原理をようやく思い出したようで、次の検診では古い機会で汚れを落としてくれる旨約束してくれた。

 願わくは、消費者の拒絶でこの悪しき機械が一刻も早く医療機器市場から淘汰されんことを!!
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