趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

臓物三昧~蛋白質だけで腹を満たす快楽

私は臓物料理が大好きである。

 子供の頃給食で初めてレヴァーを食べたときには、あまりのまずさに辟易として、以来臓物と聴くとそれだけで手が出なかったものなのだが、やがて酒の味を覚え、もつ煮込みの美味さを知り、レヴァ刺しの美味さに感激するに至り、いつの間にかおいしく料理された臓物の臓物ならではの豊かな味わいを深く愛するようになっていたのである。

 そんなわけで私は数ヶ月に一度くらいの周期で、無性に臓物料理が恋しくなることがある。
 
 秋真っ盛りの10月、有給を取り、横浜スカイビル内の某専門学校で三次試験の勉強をしていた私は、昼食をとろうとスカイビルのレストラン街を歩いていた。午前中は税法実務の問題を解いていたため、人間が抱きうる悪意の闇の果てしなき奥深さをこれでもか、これでもかと延々見せ付けられ、心底打ちひしがれていた私は、せめて昼食くらいは奮発して美味いものを、と思ってたのである。

 そんな私の目に飛び込んできたのは、『スペイン風トリッパとスペアリブのトマト煮込み』の文字だった。トリッパといえば牛の第二胃、蜂の巣のようなふわふわしたひだがあり(それ故焼肉店ではハチノスと呼ばれる)それが独特の食感を持つ大変おいしい臓物である。私は飛びついた。値段は通常の昼食の予算の倍近かったのだが、何、どうせ納めるなら政府より胃の腑に、である。

 このスペイン風トリッパとスベアリブのトマト煮込みは、それはそれは美味しかった。じっくりと手間をかけて下処理し、コトコト煮込まれたトリッパは、その特徴的なぬめぬめ、ふわふわした官能的な食感に加えてほろほろととろけるようなはかなさをも身に付け、その崩れゆくときには濃厚なトマトの旨味を振りまくのである。値段は倍だったが、美味しさは三倍、四倍以上であった。

 この美味のおかげで私の心は希望と気力を取り戻し、午後にはあたかも空襲に耐えてヒトラーと戦い抜いたチャーチルのごとく損金算入限度額と戦い抜くことができたのである。

 で、今日は仕事のあと、やはり横浜スカイビルにある某専門学校で今度は口述試験対策の税務テキストを読み、やはり人類のダークサイドに打ちひしがれたので、また臓物料理で心を癒すことにした。

 今夜の場合、秋に立ち寄ったスペイン料理店は夜はお一人様お断りと言わんばかりの雰囲気を漂わせるので敬遠し、お一人様歓迎のとある焼肉店へと向かった。注文したのはレヴァー、ホルモン、そしてハチノス(=トリッパ)である。これをあとはキムチとマッコリだけで、あたかも一匹の肉食獣にでもなったかのようにひたすら臓物を食べまくるのだ。

 やはり臓物は美味い。たっぷりと腹を満たした私は心も満たして家に帰ったのであった。




スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tiberiifelicis.blog10.fc2.com/tb.php/96-2f181c4c
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。