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趣味の迷宮 ~LABYRINTHVS AD PARNASSVM~

作者Tiberius Felixの迷宮的な趣味に関する雑記帳。 主に音楽、映画、読書、語学、グルメなどの感想・論評を中心に、興味の赴くまま無秩序に迷宮的に書き綴っていくつもりです。

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ジビエの王リエーヴル

 長年の憧れだったリエーヴル・ロワイヤルを、ついに味わう機会を得た。

 リエーヴルと言うのはフランス語で野兎のことで、あらゆるジビエの中で最も癖が強くパワフルな味わいであると言われ、ゆえにジビエの王と呼ばれている肉である。

 ちなみに女王は数年前に味わうことができたベカスである。

 どうやら、リエーヴルは男性名詞ゆえに王、ベカスは女性名詞ゆえに女王、ということになっているようである。

 味わったのは、麻布十番にあるLa Luneと言うフレンチレストラン。

 オードヴル、魚料理、肉料理、デザート、コーヒーのプリフィクスコースになっている。

 まずはオードヴルにフォワ・グラのテリーヌを選んだ。
 この店は契約農家直送の有機野菜をふんだんに使うのが売りらしく、テリーヌとともにたっぷりの野菜が付いている。野菜好きにはたまらない。

 フォワ・グラの素材の味を生かしたテリーヌは、非常にオーソドックスな王道を行く味わい。うれしいのが、グラスでソーテルヌを頼むことができたため、名高い「フォワグラと貴腐ワインのマリアージュ」を試すことができたことである。フォワグラの脂肪の甘みと、貴腐ワインの甘みが溶け合い、確かに大変に相性の良いマリアージュであった。

 続いて、魚料理に鰆のローストを選ぶ。
 鰆をこんがりとロースとして、すりおろした青リンゴをベースにしたあっさりとしたさわやかな味わいのソースでいただく。
 魚に果物と言うと非常に斬新な感じがするが、これがなかなかの組み合わせで、鰆のうまみを青リンゴのさわやかな香りが引き立て、大変具合のよい味わいに仕上がっていた。皿に合わせて選んでいただいた白のグラスワインがまた、フルーティーでさわやかな香りで、ほのかなミネラルの味わいが全体を引き締めていて、これまた相性がよい。

 そして、念願のリエーヴル・ロワイヤルである。

 リエーヴル

 この、まるでチョコレートのような深みのある色合いのソースは、野兎の血と臓物と骨のだしから作ったポワヴラードソースで、その香りたるやブルーチーズのごとき玄妙深淵なる強烈な香りである。
 これは私のような癖のある食材をこよなく愛する者にはたまらない香りだ。

 リエーヴル・ロワイヤルは、リエーヴルの正肉と臓物をミンチにして、薄切りの正肉で包んでポワヴラードソースで煮込んだものである。このパテ上の肉を一切れ切り、ソースをたっぷりからませて一口目を味わう。

 ……おお、なんと言う濃厚な香り、濃厚な味わい!

 野趣あふれる、じっくりとフェザンタージュした熟成感あふれる風味がたまらない。

 これぞまさに王の名にふさわしい味わいである。Vivre le Roi!!

 これまた料理に合わせて選んでいただいた、ローヌと思しき深みのあるどっしりと重い渋みの効いた赤ワインとの相性が抜群である。至福の一皿と一杯だ。

 デザートに焼きリンゴのクレーム・ブリュレ仕立てを味わい、すっきりした雑味のない透明感あふれるコーヒーを頂いて、ディナーは終了。

 これほどすばらしい食材なら、毎年一度はジビエの季節に味わいたいものだ。

ボジョレ・ヌーヴォ

先日の解禁日に、地元で軽く一杯飲んできた。

今年の風味は、割合渋みがしっかりしていて、なかなか好みの味わいであった。

……とはいえ、ボジョレ・ヌーヴォは毎年「最高の出来」とされているような気がする(苦笑)

モッツァレッラ・ブッファラは火曜に食え??

 無性にモッツァレッラ・ブッファラが食べたくなった。

 ナポリで食べるモッツァレッラ・ブッファラの感動的なうまさはその鮮度ゆえであるので、どうしても日本で空輸物を食べると味が落ちていることが多い。しかし、消毒済みの牛乳のモッツァレッラが少々味気なく感じるときには、多少へたっていてもあの豊かな国が恋しくなってしまうのである。

 そんなわけで今夜はカプレーゼを作ったのだが、今日買ったモッツァレッラ・ブッファラは、なかなかどうして鮮度がよく、ナポリの味とはいかないまでも、ミラノで食べる程度には美味しい。

 おそらく、日本時間では月曜の夕方に中る月曜の朝に作ったモッツァレッラが、空輸されて日本に届き、店頭に並ぶのが火曜の夕方ごろなのだろう。だとすれば、日本で一番美味しいモッツァレッラ・ブッファラが食べられるのは火曜なのかもしれない。

 「木曜のニョッキ、金曜のタラ」のように、日本では「火曜のカプレーゼ」と言うのがいいのかもしれない。

至高のイタリアン、サローネ@元町中華街

 予約の取れない名店として名高い横浜のイタリアンの名店、サローネに行く機会を得た。

 メンバーはいつもの美食仲間4人である。

 ここは、料理自体は本場の味のすばらしいイタリアンであるのだが、サーヴの方法に懐石の要素を取り入れていて、少量の皿を8つ出すという独特のスタイルをとっている店である。

 まずは食前酒に、セグレタ・ロザという、薔薇のリキュールをスプマンテで割ったカクテルで乾杯。
 バラの香りがかぐわしく、大変に美味である。

 一皿目の山形牛のスピエディーノが供される。
 薄切りの山形牛で、白トリュフ風味をつけたチーズを巻いたもので、非常にテンションが上がる。

 ここで一本目のワインを注文。

 マルヴァジアを主体としたヴェネトの白で、マルヴァジアらしい華やかな香りが実にすばらしい。

 2皿目のスズキの塩締めをポレンタに重ねた料理が、またこの白ワインに抜群の相性である。

 3皿目は、鮮魚のヴァポーレ。当日仕入れた魚をスープに仕立てた一皿である。
 今日の魚は石垣鯛と言う白身魚で、もっちりした皮のコラーゲン風味が実に美味である。そこにハマグリとネギが加わり、絶品のスープが出来上がる。その上にたらされたオレンジの皮とオリーヴを一緒に絞ったオレンジオイルが実にさわやかな香りで、立体感のある、一流の味わいであった。

 4皿目に、ミルクを使って打った手打ちパスタのトレネッテ(リングイネよりちょっと太いロングパスタ)が出てくる。これは塩釜で焼き上げたリグーリアの赤玉ねぎと、シチリア産のアンチョビで味つけられていて、実に滋味豊か。ミルクで練ったことで柔らかみが出て、ミルクの甘みが優しく心地よい。

 次の5皿目が、赤エビのサルティンボッカ。通常生ハムをチーズで焼いた料理をサルティンボッカと呼ぶのだが、この料理はその生ハムとチーズを赤エビに巻きつけたものである。エビのうまみ、ハムのうまみ、チーズのうまみが溶け合い、白ワインとの相性も抜群である。頭の中のミソがまた素晴らしい。

 ここでワインを赤に変える。
 お店のお勧めの、エミリア・ロマーニャ産のアマローネである。
 アマローネと言えばヴェネトのイメージだが、このエミリア・ロマーニャのアマローネは、アマローネらしい深みのある香りを持ちながら、それでいて味わいは非常に軽やかという貴重な一本である。

 お次の料理は、フォアグラのクッキアイオ。クッキアイオというのはイタリア語でスプーンのことである。一口大のフォアグラを温め、香味野菜とともに一口で味わう料理で、この一口の濃厚な味わいとアマローネの濃厚な香りが最高の相性である。

 次に出てきたのは、北海道産小鹿のラグーを詰めたラヴィオローネである。ミントと柿、香ばしく炒ったクルミが乗せてあり、小鹿のなめらかな舌触りがラヴィオローネのしっとりとした舌触りと溶け合い、小鹿のジビエらしい味わいにカキの甘みとミントのさわやかな香り、クルミの香ばしさが組み合わさって対位法的な味覚世界を繰り広げる。

 料理の締めは、馬フィレ肉のインパナータ(パン粉焼き)である。
 これまた馬肉の豊かなコクを引き出し、絶品。

 ドルチェかチーズの選択だったので、チーズを選択。
 水牛のミルクでハードチーズを作った、非常に珍しいクレモーゾ・ディ・ブッファラという逸品が、実に豊かなコクで、非常に美味であった。出来立てでないと実力を味わいきれないモッツァレッラ・ディ・ブッファラは輸入すると残念な結果になりがちだが、これならじっくり熟成させたものであるので、日本に空輸しても全く味が落ちる心配はない。

 最後にエスプレッソ・ドッピオでこの夢のようなチェーナは幕を閉じた。

 ここは本当に素晴らしい店である。
 広尾のインカントと並ぶ、2大ベストイタリアンだ。

Ca va?

 秋は鯖の旬である。

 ……といいつつ、つい2週間ほど前、ついに鯖に中るというひどい目に遭遇した。

 まさか、塩焼きに中るとは。

 というのも、サバに中る原因物質は無味無臭、煮ても焼いても分解不能のアレルゲン物質、ヒスタミンであるからだそうで、中るまで当たるかどうかわからないのだそうである。

 ヒスタミンで腹痛と顔面紅潮にさいなまれ、苦しみの淵の底で、私は誓った。

 ・・・・・くぅ、リヴェンジだ!この仕返しに美味い鯖料理を近いうちに作って食ってやる!!

 その後2週間たって、ついにリヴェンジを果たした。

 ヴェルディのオペラ、リゴレットの一節、"Si, vendetta! Vendetta tremenda!"を口ずさみながらショウガを薄切りにし、日本酒を煮切り、味噌を溶いて鯖の切り身とショウガを投入し、落とし蓋をして中弱火で煮ること約12分。

 水分がほとんどなくなるまで煮つまり、鯖の味噌煮の完成である。

 たまたま味噌の在庫が江戸前の合わせみそだったのだが、意外とあっさりした味わいに仕上がり、なかなか美味しかった。

 次は八丁味噌で煮てみようかと思う。

 鯖の味噌煮
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